大橋氏も土地柄や価格、広さから西新に棲家を求めたが、決め手はほかにもあったという。
「長く住むなら眺めのいい家がいい、と思っていたんです。購入したマンションには40ヘーホーメートル以上もあるルーフバルコニーがあって、広々と開放的。池を造って周りにトネリコを植え、ひとりご満悦の景色ですよ(笑)。東京時代は1時間近くかけて出社するだけでひと仕事。
超満員電車でみんなのイライラがよく見えましたね。ラッシュ時のけんかは茶飯事でしたが、大阪でさえあんな光景は見たことがありません。福岡では東京で感じたストレスが一切ないのが、いちばんうれしい。渋滞だってほとんどないし」
氏が参加するゴルフ会のメンバー、三浦真義氏も大阪出身だが福岡に30年以上。太宰府に家を建て、もう完璧に根づいている。
「福岡がイヤやったら、とっくに大阪に帰ってますよ。東京本社から転勤してきて本社に帰ったのに、リタイア後、福岡を終の棲家に決めたという大企業のビジネスマンもようけ知ってます。薄れたとはいえここには大阪がなくしてしまった人情があって、途上国の外国人にも優しい。僕は60歳を過ぎたけど、夢はレストランシアターを作って海外のダンサーを呼び本物の国際交流を実現すること。民間外交官役ですわ」