選挙戦は事実上、始まっている。事務所やポスターの準備などに忙殺される毎日であるが、政策をまとめて公約にする作業も重要である。選挙の争点も次第に固まりつつある中で、いくつかの重要政策について、日本のとるべき道を示してみたい。
国民の最大の関心事は、景気回復である。夜に東京の街を車で走ってみるとよく分かるが、盛り場に人影はなく、道路に渋滞はない。タクシーを拾っても、すいすいと走る。いかに景気が悪いかである。給料は上がらず、貧富の格差は拡大し、雇用が失われていっている。
今必要なのは、デフレの克服である。日銀の金融緩和政策は小出しにすぎる。戦力の逐次的投入は敗北を招く。それが、大日本帝国陸軍の失敗の教訓である。思い切った金融緩和を、非日常的手段を行使して実行するべきである。
自民党の安倍総裁の問題提起は基本的に正しい。日銀法を改正しなくても、日銀は政府と政策を調整すべきことが明記されているし、政策目標は政府が掲げ、日銀はその目標実現のための手段について独立性を持つだけである。このことを再確認すべきである。もし、法改正するのであれば、雇用の確保についても日銀が責任を持つべきことを書かなければならない。
むろん、金融緩和のみで経済がよくなるわけではない。企業が元気になり、海外に雄飛して、日本の富を増やさねばならない。そのためには、法人税減税、規制緩和など、企業の競争力を強化しなければならない。