ビールを飲むとトイレが近くなる「本当の理由」を知ってますか?

医学を笑えば病気も笑う
久坂部 羊 プロフィール

肺がん検診や乳がん検診はやっても意味がないことが海外の調査で証明されているし、胃がん検診も熱心にやっているのは日本と韓国くらいである。

 

数年前から40歳~74歳の公的医療保険加入者へのメタボ健診の実施が健保側に義務づけられているが、基準値を厳しくしすぎたため、多くの人が健康なのに病人扱いを受けている。コレステロールの基準値も、低く設定しすぎたために、正常の人より高い人のほうが長生きするという皮肉なデータが出た。

海外の調査では、健康診断を毎年受ける人より、受けない人のほうが長生きするという報告もある。

米国でも徴兵検査はあるが……(1950年撮影) Photo by Gamma-Keystone

そういうエビデンスを知らずに、テレビのCMや新聞記事に惑わされていると、健康を守るために逆に健康を損ねるということになりかねない。

健康を守るためには、まず正しい知識を身につけることが必要だ。医学をむずかしいと敬遠せず、その本質と限界を知ることで、病気や老いや死が自然の一部であることを実感できるようになる。やみくもに「老」「病」「死」を拒むのではなく、率直に向き合うことで、その手前にある「生」の意味がいや増してくる。

医学を学ぶことは、瑣末な日常から人生全体に関わる楽しみと感動であると私は思う。

(くさかべ・よう 作家・医師)

 
◆ 内容紹介
“目からウロコ”の連続講義。「脳ミソ喰われても痛くないって、ホント?」「健康診断をうけないほうが長生きできる?」「脳死患者は本当に動かないのか?」医療ミステリーの鬼才がこんな疑問に医学的にお答えします。
 
久坂部羊(くさかべ・よう)
大阪府生まれ、大阪大学医学部卒業。医師、作家。2008年より大阪人間科学大学特任教授を務める。2003年に小説『廃用身』(幻冬舎文庫)でデビュー。ベストセラーとなった『破裂』(幻冬舎文庫)のほか、『糾弾』(朝日文庫)、『無痛』『神の手』(ともに幻冬舎文庫)、『第五番』(幻冬舎)など、医療をテーマにした小説を多数発表。エッセイに『大学病院のウラは墓場』『日本人の死に時』や、中村仁一氏との対談『思い通りの死に方』(いずれも幻冬舎新書)がある。

関連記事

ABJ mark

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標 (登録番号 第6091713号) です。 ABJマークについて、詳しくはこちらを御覧ください。https://aebs.or.jp/