田原総一朗「イノベーターに聞く」
坂根正弘(小松製作所会長)VOL.2
海外に逃げるだけでは世界競争に勝てない!どうやってコマツはモノづくりの強さを取り戻したのか

日本の都市化は遅れている

―田原―
今度は日本全体の話をお聞きしたい。坂根さんがおっしゃったことで僕が大変驚いたのは、日本は都市化が遅れているという指摘です。そんなに遅れているんですか?

―坂根―
遅れていますね。先進国では最低レベルです。ただ、都市化率というものは、田原さんもそうでしょうけれども、私も今までに日本政府から一度も聞いたことがないんですよ。「都市化率」なんて聞いたことがありますか?

世界は、たとえば中国がいちばん代表的ですが、何のために都市化率を高めているのかというと、より少ないお金でできるだけ多くの人々に電気・ガス・道路などの社会インフラを提供するためには、できるだけ人々に集中して住んでもらわないとダメだ、という単純な論理なんですよ。世界はみんなそうです。

―田原―
ちょっと僕が理解できないのは、日本は都市化率が低いということです。東京、名古屋、大阪とか、そういう大都市に人が集まっていますよね。だから都市化率が高いのかと思っていたんですが、そうじゃないんですか?

―坂根―
低いんです。たしかに、市町村合併特例新法の期限が切れる2年前までに、たくさんの市町村が合併しました。あれで都市化率は上がったんですが、合併で見かけの数字だけ上がっても意味がない(笑)。

都市化率を高める趣旨は、できるだけ多くの人々に固まって住んでもらおう、というものです。それなのに、日本の場合は違うんです。

人里離れたところに家が2、3軒あるだけでも、そこに道路を造り、電気や上下水道を引くわけじゃないですか。これでは、公共投資が非常に非効率です。そのためには都市化率をあげる必要がある。どうしてこんな大事な指標が国の指標にならなかったのか不思議です。

―田原―
なんでならなかったんでしょうね?

―坂根―
お金を有効に使って、できるだけ少ないお金ですませる、という発想や、社会インフラに関わる効率みたいな議論が本当にない国じゃないですか。そして一方で米国や中国のように高度成長期に将来を見越して全国高速道路網をつくる
こともしてこなかった。

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