佐々木俊尚「政府や自治体がグーグルやアマゾンのようなプラットフォームになるGov2.0はもう始まっている」

行政サービスは無駄の多い垂直統合モデル

政府や自治体の行政が将来、垂直統合的モデルから水平分離的モデルへと変わっていくという方向性が、最近注目を集めている。Gov2.0と呼ばれる概念がそうだ。

今までの自治体の仕事は、「東京都の行政サービス」「東京都荒川区の行政サービス」「京都市のサービス」と行政単位ごとに分かれ、それぞれの中でタテに行われていた。しかしこれを統一したヨコ的なしくみの中に統合して、もっと効率的でお金のかからない行政サービスを実現しようという。

このGov2.0を言い出したのは、アメリカのIT系出版社オライリーメディアを経営しているティム・オライリーという人だ。彼はこう言っている。

「政府はプラットフォームになるべきだ」

要するに、政府や自治体がグーグルやアップルやアマゾンと同じような基盤となり、そのうえでたくさんの企業や住民が自由に活動すればよいという主張だ。

たとえば道路の穴を補修するという公共事業があったとする。それが都道の場合、今までなら東京都が日々点検し、穴を発見し、補修計画を立て、公共工事として業者に発注する。それらがすべてひとくくりの行政サービスになっていて、都がすべて面倒をみていた。

そして同じ内容の行政サービスを東京都がやり、京都府がやり、福岡県がやる。市町村でも同じようなことを荒川区がやって、鎌倉市がやって、甲府市がやって、岡山市がやっている。つまり今までの産業界と同じ垂直統合モデルである。

しかし国や自治体の財政が悪化している中で、それぞれの都道府県、それぞれの市町村が全部独自に行政サービスをやるというこれまでの仕組みは、とても効率が悪い。むだに予算もかかっている。そうであれば、これらを同じシステムの中で統合できるところは統合してしまい、そのうえで民間の企業や個人に任せられるところは任せてしまったほうが良い。・・・(以下略)

メルマガ『現代ビジネスブレイブ』より

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