[NBA]
杉浦大介「2012-13年、4つの注目チーム」

スポーツコミュニケーションズ

名門、完全復活か ~ニューヨーク・ニックス~

 昨季、11季ぶりのプレーオフ勝利を挙げて復活への狼煙を挙げたニックスは、今季開幕から負けなしの6連勝。得点でリーグ2位、得失点差で1位と意外にもバランスの良いプレ—を展開し、序盤戦のサプライズチームとなっている。

 カーメロ・アンソニー、タイソン・チャンドラー、JR・スミス、レイモンド・フェルトンらの主力が効果的な仕事を果たし、特にカーメロは10年目にして一皮むけたようなオールラウンドな働きぶり。そして今季から加入したジェイソン・キッド、マーカス・キャンビー、カート・トーマスといったベテランが、ロッカールームのリーダー役を務めているのも大きい。

「今季のニックスにはタレントのある選手が揃っているし、コーチの指導も行き届いている。そしてジェイソン・キッドを擁している。キッドはチームのすべての選手を集中させることができるんだ」

個性派揃いのニックスに、キッド(写真はネッツ時代)のようなリーダーこそが最も必要だったのかもしれない。

 9日にニックスに敗れた後、ダラス・マーベリックスのリック・カーライルHCはそうコメント。これがプロ19年目で、マーベリックス時代にはファイナル制覇の経験もあるキッドの存在は、自由奔放な選手が多かったニックスに確かに大きな影響を及ぼしているようにも思える。 

 シーズンは始まったばかりで、ここまでのニックスもややスケジュールに恵まれた感はある。故障離脱しているアマレ・スタウダマイヤーが復帰後、良いリズムを保てるかどうかも不透明。そして高齢のベテランたちが、シーズンを通じて現在のレベルでプレーできるかどうかも分からない。

 ただ……攻守に役者が揃い、パスもよく廻るようになったニックスの好スタートは完全なまぐれには見えないのも事実だ。今後に波はあるだろうが、イースタンの上位シード獲得は不可能ではなさそう。プレーオフで勝てるかは別問題だが、少なくともシーズン中は、ニックス完全復活を熱望するニューヨークのファンを喜ばせ続けそうな予感も漂っている。

※文中の記録はすべて日本時間16日(金)現在

杉浦大介(すぎうら だいすけ)プロフィール>
1975年、東京都出身。大学卒業と同時に渡米し、フリーライターに。体当たりの取材と「優しくわかりやすい文章」がモットー。現在はニューヨーク在住で、MLB、NBA、ボクシング等を題材に執筆活動中。
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