------試合にずっと出られなかったのに日本代表のイラク戦で勝利に貢献したり、クラブでもチャンスが来たらすぐに結果を出した。この勝負強さは、どこから来ていると思いますか?
「自分の主体性がブレなければ、何が起ころうと関係ないんですよ」
------主体性っていうのは?
「試合前日の夜はこれを食べてとか、何日前にマッサージしてとか、日頃から最高の準備を突き詰めていたら、どんな状況に陥っても、ブレることはない。もちろんイラク戦もフランス戦もブラジル戦も、自分のプレーにはまったく納得していません。ただ、いつもどおりの準備をしっかりできた。自分の主体性を持って臨めば、なんてことないんです」
------不安にはならなかったんですか?
「不安になるのは、悪いことじゃない。不安になって、不安になって、底までいったら、あとは上がるしかないから」
------ただ、そういう苦しい時に、家に帰って一人だと暗くなりません? 結婚したいと思いませんでしたか?
「いや、『本が友だち!』みたいな感じなので(笑)。ハハッ、この考え方、危険だな。僕より若い人には見習わないでほしいですね」
------結婚観に変化はなかったんですね。
「もともと結婚観がないですからね。僕に聞くこと自体が間違っている。まあ、(吉田)麻也も結婚しましたけど、若くして結婚している人は本当に偉いなって思います。結婚して子孫を残すのは、人間の使命のようなもの。いつかはしたい。けれど、まだ自分は臆病というか、サッカーに関して生活のリズムを変えたくなくて。この点に関しては、本当に自分はダメな人間だなって思います」
------日本代表についても聞かせてください。本田圭佑や長友佑都など、一部の選手が「2014年ブラジルW杯で優勝する」と宣言しています。どう思いますか?
「それはすごく大事だと思います。何事も想わなければ達成できない。信じるところから始めるって言ったらいいのかな。手応えは少なからずあるしね。ザッケローニ監督も優勝という言葉こそ使わないけれど、『自分たちのサッカーで世界の強豪を倒す』って明確に言ってますから。圭佑や岡崎(慎司)や長友が互いに話して、まわりの選手も触発されている。自分も想いはそこに加わっています」