スペシャル・インタビュー
長谷部誠 逆境時の「心の整え方」

フライデー プロフィール

------残念ながらプレミアリーグへの移籍は実現しませんでしたが、ドイツの他のクラブからオファーはなかったんですか?

「ありましたよ。今でも話をもらっています」

------それなら、なぜ移籍しようとは思わなかったのですか?

「むやみにドイツ国内で移籍したら、次のステップに進むためにまた2~3年待たなければいけない。もうそんな長い期間待てない。だったら、たとえ干されても我慢しようと思った。たとえ半年間、試合に出られなくても、耐え抜いてやろうと。中途半端に逃げるように移籍するのだけは嫌だったんです」

------ものすごい覚悟ですね。

「そんなことを言ってますが、僕は『エン・ジャパン』っていう転職情報サイトの広告に出ているんですよ(笑)。ただ、僕が出る前のキャッチフレーズは『転職は慎重に』だった」

------まさにピッタリ(笑)。

「転職を勧める会社なのにそう言えるのはすごいと思ったし、『エン・ジャパン』の会長さんの本も読んで共感して、広告出演を引き受けました。それくらい自分の居場所を変えるっていうのは、よく考えなければいけないと思うんですよね」

主観と客観のバランス

------そうやって他のオファーを断り、覚悟の上でヴォルフスブルクに残ったということですが、それでもツラいものはツラいと思うんですよ。どうやって自分の気持ちを奮い立たせていたんですか?

「当たり前の話なんですが、家族でさえも考え方って違うじゃないですか。そうしたら一緒に働く人、自分の場合だったら監督やチームメイトですが、一人として同じ考えの人はいない。それさえ分かっていれば、どんな上司がいようと、自分を見失わないでいられる。考え方の違いをしっかり受け止めて、その上で自分の主観と客観を大事にする。そのバランスが大事なんじゃないかなって思いますね」

------すみません、話が深すぎて分かりません(笑)。

「主観っていうのは、自分がどう考えるかっていうこと。客観っていうのは、監督やチームメイトの立場になって考えるということ。自分を内側からも外側からも見る。そのバランス感覚が優れている人がすごいって思うんです」

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