田中克郎 第2回 「鹿児島の薬剤師一家に生まれるも、兄弟でただひとり弁護士を目指して中央大学法学部へ」

島地 勝彦 プロフィール

田中 いいえ、そんなに簡単じゃありませんでした。ぼくは鹿児島から出てきた身ですから、すでに出遅れていました。神戸高校の秀才たちは中学のときから、1年先の勉強をしているんです。1年生のときにもう2年生の勉強をしているんですよ。ぼくなんかはそういう連中の驥尾に付して付いて行くだけで精一杯でした。

 担任の先生にはもう一校受けたらどうだ、と言われましたが、中央大学法学部一本で行きました。ぼくは司法試験を受けたかったんです。検事になるか、判事になるか、弁護士になるかはあとで考えるとして、司法試験に強い中央大学法学部に入りたかったわけです。

 ぼくは中学のときは野球をやっていましたから、中学時代はずっと定期試験の前日だけ一夜づけで勉強していました。じっさい相当出遅れていましたね。

シマジ 高校でも野球部に入ったのですか?

田中 神戸高校時代は速記部に入っていました。そのころは新聞記者に憧れていたんです。中根式という速記を習っていました。

シマジ 先生はすべてに用意周到なんですね。

田中 将来こうするためには今何をすべきか、という準備はわりとよく出来たようですね。

シマジが味わう「人生の真夏日」

シマジ しかし田中先生は、依頼者が自然に「先生、お願いします」といいたくなるような、じつにいいお顔をしていますね。

田中 それでも法廷ではいつも厳しい顔になりますよ。会社ではいつも怒り狂っていますし。

シマジ そうですか。この柔和なお顔からは考えられませんが。

 TMI総合法律事務所は六本木ヒルズの3フロアを使っているほど大きな事務所ですが、総勢で何人の弁護士が働いているんですか?

田中 弁護士だけで250人おります。ほかのアシスタントとか事務系を入れますと、500人はいますかね。