いじめ研究の第一人者が断言
内藤朝雄「いじめ加害者を厳罰にせよ」

 『清輝君が見た闇』に限らず、いじめに関しては80年代から90年代に、厚みのある取材に裏打ちされたすぐれたルポルタージュが綺羅星のように現れた。いじめの質感を感じ取りたければ、それらの本を次から次へと読んでみることだ。これらについてはブログで紹介した

 現在、日本の世論はテレビのバラエティ番組のようになり、さまざまな社会問題に関する「愚民化」が進行している。その構造に棹をさすスタイルを、いじめの本という形で試行錯誤した。今回の『いじめ加害者を厳罰にせよ』が多くの人の目に触れれば、少なくともいじめ関連の分野では世論を変えることができるはずだ。また、読者はマスコミ芸人の語り口に対する批判的な目利きができるようになるはずだ。

 いじめに限らず、原発問題など、マス・メディアによって核心から目を逸らされてしまった社会問題に関して、志ある執筆者が拙著のスタイルを参考にしてくださればと思う。

内藤朝雄 (ないとう・あさお)
社会学者。明治大学文学部准教授。いじめ問題研究の第一人者として知られる。1962年東京都生まれ。東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻博士課程を経て現職。著書に『いじめ加害者を厳罰にせよ』『いじめの講造 なぜ人が怪物になるのか』『いじめの社会理論』『いじめと現代社会』、共著に『いじめの直し方』『学校が自由になる日』『「ニート」って言うな!』など。