国民生活を人質に、駆け引きを続ける二大政党。こんな政治には誰もが飽き飽きした。12・16までに野田政権は必ず崩壊する。今度こそ、日本を変えるのだ。決戦の火蓋がいま、切られようとしている。
「この155人は、かなり優秀なメンバーと思っている。顔ぶれを見ると、今までの国会議員の雰囲気をガラッと変えてくれるメンバーになった。これ以外にも、まだ四百数十人の候補者を選定中です。次の衆院選で、過半数獲得を目指すという大目標は変わっていない」(橋下徹大阪市長・日本維新の会代表)
逃げる野田佳彦首相。足払いをかけようとする安倍晋三・自民党総裁。それを横目に跳躍のチャンスを窺う橋下・維新の会。割り込みを狙う石原慎太郎・前東京都知事とその新党---。
政治が動き出している。永田町では臨時国会が開幕したが、その期間中、もしくは閉幕後に、野田首相が衆院解散総選挙に追い込まれるのかどうか。可能性は日増しに高まってきた。
「野田首相は酒量が増え、喫煙の本数も激増した。公邸内では仁美夫人との約束でタバコが吸えないので、中庭に出て吸っているのですが、備え付けの灰皿はあっという間に吸い殻の山になるそうです。支持率の低下、困難な国会運営、相当にストレスが溜まっています」(首相官邸関係者)
野田首相は、消費税増税など税と社会保障の一体改革に道筋をつけた後は、国民に信を問うと言い続けてきた。「近いうちに」「長く居座るつもりはない」
8月からそう繰り返し言い訳をしてきたが、いまだその〝公約〟を果たそうとせず、頬かむりをしている。
これは自民党など野党との約束ではないのだ。国民に犠牲を強いる政策を実施する以上、その責任を首相としても政権与党としても取る。国民の審判なしに、消費増税のように重大な政策変更があってはならない。それは、当の民主党がかつて言い続けてきたことだ。
ウソをつき、誤魔化して延命だけを図る政権が、長続きするはずもない。いまや野田首相の足元、民主党の議員たちからも、こんな声が上がり始めた。
「10月29日、首相は党の1年生議員を公邸に呼び、『好物の牛丼が食べられない』と愚痴を言いながら会食しました。『離党するな』という懐柔工作です。ただ、首相が若手に迎合し始めるのは政権の終わりが近づいている兆しなんですよ」(民主党中堅代議士)
総理大臣が、末端の議員にまで媚びるというのは、政権が求心力を完全に失ったことの証拠でしかない。
「かつて橋本龍太郎内閣が、新人との会合を始めて数ヵ月後に倒れた例があります。2年前に鳩山由紀夫元首相が同じことをしようとした際、周囲は止めましたが、10班に分けて会食をしようとして、5班の時点で鳩山内閣は終わりました。菅直人前首相も一度だけ新人を呼び、すぐに退陣しています。こうしたジンクスを考えれば、野田内閣ももう終わりでしょう」(同)
あとは〝タイミング〟のみである。野田首相は、赤字国債を発行するための特例公債法案の審議などを盾に、年明けまで解散先延ばしをするつもりでいる。だが政権は完全に死に体だ。