[障害者スポーツ]
伊藤数子「すべての人が好きなスポーツを継続してできる社会へ」

スポーツコミュニケーションズ

障害者がスポーツをすることの意味

 スポーツクラブで汗を流したり、最近はマラソン人気でランニングを楽しむ人も増えています。日本人にとって、ランニングは手軽に始められるスポーツですが、車いすで走るとなると途端に難しくなります。また残念ながら多くのスポーツクラブは、障害のある人が快適に通う仕組みが整っていないところも多いのが現状です。無理もありません。少し前までは、障害のある人がスポーツをすることを知っている人は決して多くはありませんでした。予想もしていなかった人もいたことでしょう。脊椎損傷や頚椎損傷などで下半身が麻痺した人は医師がスポーツを禁じていた時代もあったくらいです。しかし、時代は変わりました。少しずつ障害のある人にもスポーツをする機会が増えてきています。

 先述したように昨年はスポーツ基本法が施行され、スポーツはすべての人にとって大切なものとなりました。いま、私たちは、障害のある人ない人みんなで集まるスポーツクラブの準備を進めています。「すべての人が好きなスポーツを継続してできる社会」まで、そんなに遠い道のりではないはずだと、私は信じているのです。

伊藤数子(いとう・かずこ)
新潟県出身。障害者スポーツをスポーツとして捉えるサイト「挑戦者たち」編集長。NPO法人STAND代表理事。1991年に車いす陸上を観戦したことが きっかけとなり、障害者スポーツに携わるようになる。現在は国や地域、年齢、性別、障害、職業の区別なく、誰もが皆明るく豊かに暮らす社会を実現するため の「ユニバーサルコミュニケーション活動」を行なっている。その一環として障害者スポーツ事業を展開。コミュニティサイト「アスリート・ビレッジ」やイン ターネットライブ中継「モバチュウ」を運営している。2010年3月より障害者スポーツサイト「挑戦者たち」を開設。障害者スポーツのスポーツとしての魅 力を伝えることを目指している。著書には『ようこそ! 障害者スポーツへ~パラリンピックを目指すアスリートたち~』(廣済堂出版)がある。