「中田の4番」も「斎藤の開幕投手」も「パ・リーグ優勝」もすべて計算ずくだった「日本ハムモデル」勝てる組織はこう作る

週刊現代 プロフィール

「4月の早い段階で、5番・6番を、それぞれ好調の稲葉と陽岱鋼に固定できたことが大きい。好調の打順を組み替えるのは勇気がいるし、実績のある監督なら反発してもおかしくないところ。まあ、だからいい意味で『素人』の、栗山さんが選ばれたんだろうけどね」(スポーツ紙デスク)

 開幕前の宣言通り、全試合で中田を4番に起用した栗山監督には、「我慢強い」イメージがあるかもしれない。だがその一方で、今季の日本ハムは、90通り以上の先発オーダーを組んでもいる。

「ハムの首脳陣は、毎試合、必ず2回のミーティングを開くんです。ナイターなら、その試合の戦い方を決める試合前ミーティングが14時半から行われ、試合後には、監督とコーチに、BOSを統括する『ベースボールオペレーションチーム』が加わった反省会をする。ここでは次の試合のオーダーから、一軍と二軍の選手入れ替えなどが話し合われます」(前出・藤井氏)

 ではなぜ不振を極める中田を全試合4番に固定したのか。

「BOSには、もちろん攻撃面だけでなく、守備や走塁での貢献度も含まれます。さらには年俸などもデータとして加味されます。中田は、打撃不振の中でもチームトップの勝利打点を上げ、守備ではリーグトップの補殺をマークしている。そして何より、彼が4番でもチームは勝ち続けた。実際、フロントはむしろ応援態勢をとっていたくらいですよ」(日本ハム担当記者)

 同様に、後半は二軍暮らしとなり、CSのメンバーから漏れた斎藤の開幕投手での起用は、「オペレーションチーム」からも反対の声は出なかったという。その背景には、独自の評価システムへの絶対的な自信がある。'10年のドラフトで、斎藤の当たりクジを引き当てた藤井氏は、

「斎藤は一昨年のドラフト以前から今まで、いろんな評価をされていますが、我々はBOSによる判断から、『その年のナンバーワン選手』だと結論を出し、彼を指名したんです。もちろん人気ではなく実力ですよ」

 と自信を込める。

「一番いい投手」が分かる

「育成型のチーム」を自任する日本ハムにとって、10月25日に開かれるドラフト会議は、ある意味一年間でもっとも重要な一日だ。

 昨年は巨人と「相思相愛」だった菅野智之(東海大)を強行指名、他にもソフトボール出身の大嶋匠(7位・早大)を指名するなど、日本ハムには、毎年独特の視点が感じられる。

「菅野を指名したのは、斎藤と同じで、単純にスカウトが集めたデータ上で一番点数が高かった。つまり、『一番いい投手』だったから指名しただけです。だってスカウトたちが1年間、全国を駆けずり回って『菅野が一番だ』と判断したのに、それを無視するのは失礼でしょう」(前出・球団関係者)