第一章 B層とはなにか?(続き)
【前篇】はこちらをご覧ください。
B層とは、大衆社会の成れの果てに出現した、今の時代を象徴するような愚民です。
私はこれまで二冊の本を書いて、B層の危険性を指摘してきました。
共に「講談社+α新書」です。
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(一七四九~一八三二年)やフリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ(一八四四~一九〇〇年)といった過去の賢者の知見を振り返り、今の時代の病を浮き彫りにすることを試みました。
すでにお読みになって理解されている方は、この節は飛ばしていただいて結構ですが、あらためてここでB層について説明をさせていただきます。
最初にB層の定義を確認します。
B層とは「マスコミ報道に流されやすい『比較的』IQ(知能指数)が低い人たち」です。
これは私の造語ではありません。
二〇〇五年九月のいわゆる郵政選挙の際、自民党が広告会社スリードに作成させた企画書「郵政民営化・合意形成コミュニケーション戦略(案)」による概念です。
この企画書は、国民をA層、B層、C層、D層に分類して、「構造改革に肯定的でかつIQが低い層」「具体的なことはよくわからないが小泉純一郎のキャラクターを支持する層」をB層と規定しています。