[ボクシング]
杉浦大介「西岡利晃を一蹴したドネアが歩むスター街道」

スポーツコミュニケーションズ

久々に見せたスキのない圧勝

9ラウンドにドネアが右カウンターで決定的なダウンを奪う。

 もっとも、試合がワンサイドになったことに関しては、西岡を責めるよりもドネアを誉めるべきだろう。ここ数戦はやや精彩を欠いていたフィリピン産の4階級制覇王者だが、西岡戦では久々にバランスの良いボクシングを見せてくれた。

「過去何戦かでは退屈してしまっていたけど、この試合に対しては集中することができた。西岡はこれまでのキャリアで実力を証明していたし、チャレンジしてくることが分かっていたからね」

 試合後のそんな言葉が示す通り、西岡の最大の武器である一撃必倒の左をもらってはいけないという警戒心はドネアの中でも強かったようである。自分のパンチが当たり、西岡のそれが届かない距離を常に保ち、序盤からジャブとショートパンチで丁寧に試合を組み立てていった。

 2011年2月のフェルナンド・モンティエル戦で魅せた破壊的な2ラウンドKO劇で、ドネアは全米のボクシングファンにその名をアピールすることになった。ただ、この試合の“二日酔い”か、もともとサービス精神旺盛な性格のためか、以降のドネアはやや大振りが目立ったのも事実。おかげでスーパーバンタム級に上げて迎えた今年2月のウィルフレド・バスケス戦、7月のジェフリー・マセブラ戦では被弾するケースも多く、その評価を停滞させてしまった。

ラウンドのダウン後には西岡もよく反撃したが……。

「この試合はワンパンチで決まりかねないと思っていたし、ミスした方が負けて、ミスにつけこんだ方が勝つと思っていた。実際にその通りになったね」

 後にそう語った通り、西岡戦でのドネアのパンチは非常にコンパクトで、6ラウンドにダウンを奪った直後を除き、ほとんどスキを感じさせることはなかった。その戦い方で最後はKOしてしまうのだから、やはりこの選手の破壊力は頭抜けている。いや……もともと身体能力とスピード、パワーに恵まれたドネアは、おそらくは必要以上にKOを意識しない方がより有効に相手にダメージを与えられるのかもしれない。

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