[虎四ミーティング]
大畑大介(元ラグビー日本代表)<前編>「なでしこジャパンに続け!」

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神鋼、好調のキーマンはジャック・フーリ―

二宮: ウィルチェアーラグビーはアメリカンフットボールに似ているという話が出ましたが、今、ラグビーとアメフトの“二刀流”で話題になっている選手がいます。パナソニック・ワイルドナイツの山田章仁選手です。両方の競技を取り組むことでどんな相乗効果が生まれるでしょうか。
大畑: ボールを持って相手を抜く感覚は磨かれるかもしれませんね。ただ、当然、アメフトでは防具をつけますけど、ラグビーではつけません。防具がある分、アメフトではガンガン相手に当たれそうな気がしますが、かえって怖さがなくなる分、思わぬケガもしやすい。その点が心配ですね。所属チームの理解がなければ不可能な挑戦です。

二宮: チームスポーツだけに練習だって両方掛け持ちするのは大変です。そういったリスクを背負っても、新たな挑戦で自分の殻を破りたかったのでしょう。現状、トップリーグでは8トライをあげてランキングトップ。本人には両方でプレーすることがいい刺激になっているように感じます。
大畑: アメフトをやっているからといって、ラグビーが疎かになっては元も子もない。その点は彼も十分自覚しているはずです。自分に対してプレッシャーをかけることで、彼自身の成長につながるなら悪い話ではないと思います。もちろん、ラグビー界の中では否定的な意見のほうが確実に多いですから、それを黙らせるようなパフォーマンスをこれからも見せてほしいですね。

二宮: 外国でもラグビーとアメフトを両方プレーするケースはあるのでしょうか。
大畑: ボールのサイズが違いますから、あまり聞かないですね。でもキッカーはアメフトから誘いがかかるようです。スコットランド代表のキッカーだったジャビン・ヘイスティングスはアメフトから話が来たと聞いたことがあります。アメフトよりも、南半球の選手はクリケットをやったり、他の競技と掛け持ちしているほうが多いかもしれませんね。珍しいところでは、パナソニックにいるソニー・ビル・ウィリアムズはヘビー級のボクサーです。

二宮: ウィリアムズはオールブラックスのスーパースター。今季のトップリーグは彼のプレーが見られる点も見どころのひとつです。シーズンも第5節が終了しましたが、昨季の覇者サントリー・サンゴリアスが首位。現代表ヘッドコーチのエディー・ジョーンズ監督は抜けましたが、安定した戦いをみせています。
大畑: 開幕当初は昇格組の九州電力キューデンヴォルテクスに苦戦した試合もありましたが、徐々に調子が上がってきました。最終的にはやはりサントリー中心の争いになるでしょうね。エディー・イズムはしっかり継承されていますし、戦い方が大きくブレない。

二宮: そのサントリー、東芝ブレイブルーパス、パナソニックの3強と言われるなか、古巣の神戸製鋼コベルコスティーラーズが2位に食い込んでいます。
大畑: ここ数年は、上位にもそこそこ健闘するけど、下位にも取りこぼすという一皮めくれない状態が続いていました。ただ、もともとディフェンス力が非常に高いチームです。そこに南アフリカ代表のジャック・フーリーが移籍してきて、攻撃にも怖さが出てきた。小さなほころびを大きく開けられる選手が入ったことでチームに好影響が出ていると感じます。