三枝成彰 第2回 「東日本大震災で親を失った子どもたちの夢をかなえる力になりたいと立ち上げた『3.11塾』」

島地 勝彦 プロフィール

シマジ この間リベラルタイム誌の取材でスピリチュアリスト、江原啓之さんを取材したんだけど、江原さんはいま、被災地の子どもが東京の大学の医学部に入ったら、学費から住むところまで面倒をみる体制を作っている、と言っていました。江原さんと三枝さんは親しいから同じ機構の下でやっているんでしょう?

三枝 そうです。江原さんのところでは来年入学する医学生を受け入れるために自宅の3階にある部屋を空けて待っているんです。

立木 その若者がまたふるさとに帰って、みんなに恩返しをするだろうから、それは素晴らしいことだね。

シマジ 江原さんによれば、いままでその3階の部屋には福島の原発被災地から避難してきた母と子が住んでいて、その支援をしていたそうですね。

三枝 江原さんはまさに博愛主義の人です。

シマジ バリトン歌手としても頑張っていますね。

三枝 あのふくよかな体格ですからいい声が出ます。

シマジ これから歌の独唱と講演をしながら全国を回って、被災地のために寄付しようとしているそうなんですが、どうも歌が入ると江原さんのチケットの売れ行きが悪くなるって、本人は苦笑していました。

三枝 オペラやクラシックはやっぱりクラス、いわゆる階級があるんです。クラシックの語源であるラテン語の"クラシクス"には、あるクラスに属する人たち、古代の納税者階級という意味があります。そもそもの始めから、ハイクラスの人たちのための音楽ですよ、と割り切っているんです。万人に受け入れられて集客するには大衆性が欠けるのでしょう。

立木 おれも何度も被災地に取材撮影に行ったけど、テレビの画面からでは真実は見えてこない。やっぱり現場を見ないとディテールはわからないね。

シマジ あれは千年に1度の自然の猛威だった。津波が襲ってきたのが夜だったら、被害はあんなものではなかったと思う。ゾッとするね。おれが子供のとき、よく泳ぎに行った陸前高田にも行ったんだが、あの美しい海岸の松原が1本を残してすべて消え、心地いい潮騒の音色はなくなり、遠浅の海岸も消えて急に青々として深い海がすぐそこにあったのには驚愕したね。