週現スペシャル ニッポンの頭脳は中国なんかに負けない
山中伸弥・望月新一・北川進・清滝信宏・村上春樹ほか
ノーベル賞に手が届く日本の天才たち

 その数学者とは、京都大学数理解析研究所の望月新一教授(43歳)だ。

 500ページに及ぶ証明で、望月教授は予想を解くだけでなく、まったく新しい理論を構築したという。

 取材に対しては、「(専門家による理論の検証が終わるまでは)できる限りにおいて静かな環境の下でこの検証作業に専念させていただきたいと考えております」とメールで回答。研究所全体でも取材を断っており、あくまで慎重な同教授を、取材攻勢から守る姿勢を見せている。

 それほどすごい研究ならノーベル賞が獲れるか、といえばそうではない。残念ながらノーベル賞には「数学賞」がないのだ。

 その代わり「数学のノーベル賞」と呼ばれるのが、国際数学者会議が授与している「フィールズ賞」だ。

「でも、望月先生は40歳を過ぎていますから、フィールズ賞も無理なんです」

 と京都大学理学部数理科学系の卒業生は話す。同賞はノーベル賞よりも基準が厳しく、年齢が「40歳まで」と決まっているのだ。

「本当に数学の才能がある人は若いうちに発揮するから、ということで年齢制限があるようです」(同前)

 だが望月教授の経歴こそ「数学の天才は早熟」という傾向を裏付けるものだ。

 5歳のときに渡米し、中学校で1年間帰国した以外は米国育ち。高校はフィリップス・エクセター・アカデミーに入学した。日本では聞きなれないが、「テン・スクールズ」と呼ばれる米国でもっとも権威ある10の寄宿制高校のひとつで、フェイス・ブックの創業者マーク・ザッカーバーグや小説『ダ・ヴィンチ・コード』の作者ダン・ブラウンの母校でもある。