2012.10.03

三枝成彰 第1回 「脊椎間狭窄症の大手術3日後から作曲作業に復帰した新作オペラ『KAMIKAZE―神風―』」

島地 勝彦 プロフィール

シマジ ヘルニアか何かだったの?

三枝 わたしの場合は、脊椎間狭窄症でした。むかしだったら車イス生活になっていたんでしょうが、福井康之先生という名医に出会い、ここまでちゃんと歩けるようになりました。

シマジ みのもんた、三宅裕司といった人たちの腰を手術した、あの有名な福井先生ですか?

三枝 そうです。これだけの肉と骨を削って取ったんですよ。みてください。これが証拠写真です。

立木 痛そうだね。

三枝 全身麻酔ですから何も感じませんでしたが、翌日は応えましたね。いまの医学は、痛みを抑えるようにしているんですね。痛いときは遠慮しないで言ってください、モルヒネをバンバン打ってあげますよ、という方針です。

 手術後3日目には病室に小さな携帯ピアノを持ち込んで、来年1月31日から公演するオペラ「神風」の作曲をやっていました。15分やったら15分休め、と福井先生から命令されていたんですが、どうしても夢中になると休憩時間を忘れてしまうんですよね。

シマジ すさまじい話だなあ。

三枝 そうしたら隣の病室から「ピアノの音がうるさい!」と苦情がきた。福井先生から「手術は成功したし、状態もいいから、特別に退院してもいいですよ」というお墨付きをもらって、約1週間で帰ってきました。

立木 凄い生命力だね。

三枝 はじめは作曲が終わって11月を過ぎたら、そこで手術をしていただこうと思っていたんです。でも、ある日、痛くて痛くて病院に行ったら、「11月まで待っていると、車イス生活になるかもしれない」という診断で、急遽手術することになったんです。

立木 病気を直すのはすべて名医との巡り会いだね。シマジだっていまはこんなに元気だけど、大腸癌や心臓バイパスの手術を受けたんだろう?