[プロ野球]
佐野慈紀「WBCを真の世界大会にするために」

スポーツコミュニケーションズ

新スター誕生への期待

 さて、今回が3回目となるWBCですが、ファンが “サムライジャパン”に対して期待しているのは、3連覇はもちろん、次世代を担うスター選手の誕生ではないでしょうか。イチロー、松坂大輔、ダルビッシュ有……日本野球界が誇るスター選手たちは今、そのほとんどが海を渡ってしまっています。

 もちろん、国際化が進む時代の中では当然のことであり、そのことに対して反対をしているわけではありません。逆に言えば、MLBで活躍できるほど、日本人選手のレベルが高まり、そして認められている証拠でもあるのですから、喜ばしいこだと思っています。ただ、国内でスター選手が見ることができないというのは、やはり寂しいもの。世界各国が頂点を争うWBCで、ぜひ新たなスター選手が誕生してほしいなと思います。

 WBCといえば、日本で使用するボールとは質の異なる国際球への不安がつきものでしたが、今回はその不安はほとんどないに等しいと言っても過言ではないと思っています。2年前から国際大会を意識して、いわゆる“飛ばないボール”統一球を使用しているからです。

 実は、MLB関係者が日本の統一球に対して「これは飛ばないなぁ」という感想をもらしたという話もあります。もしかしたら統一球導入後、なかなか見ることのできない大味な野球が、WBCでは見られるかもしれません。“スモールベースボール”が主流と思われている日本野球ですが、今大会では一味もふた味も違った戦い方ができるのではないかと、密かに楽しみにしています。

佐野慈紀(さの しげき)
1968年4月30日、愛媛県出身。松山商-近大呉工学部を経て90年、ドラフト3位で近鉄に入団。その後、中日-エルマイラ・パイオニアーズ(米独 立)-ロサンジェルス・ドジャース-メキシコシティ(メキシカンリーグ)-エルマイラ・パイオニアーズ-オリックス・ブルーウェーブと、現役13年間で6 球団を渡り歩いた。主にセットアッパーとして活躍、通算353試合に登板、41勝31敗21S、防御率3.80。現在は野球解説者。