[プロ野球]
佐野慈紀「WBCを真の世界大会にするために」

スポーツコミュニケーションズ

改善の一歩となる画期的意見の抽出

 これは運営の仕方にも同じことが言えます。例えば、日本のプロ野球界にとって、シーズンを迎えるにあたり、非常に重要なキャンプやオープン戦の時期である2、3月にWBCが行なわれることは、選手や球団にとって大きな負担を強いられます。ならば、WBCの年だけは試合数を減らすということも一つ考えられます。しかし、個人タイトルのことを考えれば、「減らしてほしくない」という意見も出てくることでしょう。ならば、逆にシーズン途中から出場せざるを得ないWBCメンバーのことを考慮し、逆に試合数を増やした方がいいのかもしれません。または、開幕の時期をずらすことも考えられるでしょう。

 さらに、WBCで主力を欠くチームは、彼らが戻ってくるまでの間、どう凌ぐかが問題となります。では、こういうのはどうでしょうか。主力の代わりとなるような選手育成のためにWBCの間、日本では若手を中心に“天皇杯”を行なうのです。平等性を保つために、U-25など、サッカーのように年齢制限をしてもいいかもしれません。そこでスター選手が出てくれば、球団としては新たな戦力として使うことができます。アマチュアからも次なるドラフト候補が出てくる可能性も大いにあります。また、こうした画期的な意見が出ていることが報道されれば、世間も注目してくれることでしょう。

 何も、私はこうすべきだと言っているのではありません。あくまでもひとつの意見として、こういうものもあるよ、ということを言いたいわけです。少ない人数で凝り固まった意見を言い合っても何も変わりません。さまざまな意見の中から、優れたものを抽出し、またはミックスさせることで、よりよいものに近づくことができるはずです。第1回からほとんど何ら変わることのない運営体制に対して、そろそろ新しい意見を取り入れてもいいのではないでしょうか。