羽佐間正雄 第4回 「稀代の左腕、金田正一の剛速球がミットを持たないぼくに「ビシッ!」と決まった瞬間」

島地 勝彦 プロフィール

セオ たしかにこの飲み方は美味いです。流行らせましょう。

シマジ 新宿伊勢丹メンズ館8Fにオープンしたサロン・ド・シマジではすでに飲んでもらっているよ。

セオ そういえば、羽佐間さん、ぼくも立木さんと同じ熱烈な阪神ファンで、少年時代は巨人のエース、堀内恒夫に何度も苦い思いをさせられてます。悪太郎といわれた堀内のとっておきのエピソードをお聞かせ下さい。

羽佐間 堀内は面白い。天才的なピッチャーでした。不滅の9連覇に大貢献した選手です。でも合宿の門限破りの常習犯だった。頭もいいから脱出術も巧妙だったそうです。

 巨人の寮を預かる武宮敏明は熊本工業から巨人に入団した川上の1年後輩だった。「厳しく頼むぞ」という川上の言葉に忠実でしたね。現役時代は捕手だったが、一線を退いてから34年の長きにわたり勤めた名寮長となったんです。そこで悪太郎vs名寮長の戦いがはじまった。

立木 面白くなってきたぞ。羽佐間さんの話術に痺れますね。

羽佐間 最初のうちは名寮長も悪太郎が毎夜寮を抜け出していたことに気がつかなかったそうです。悪太郎は毎晩、風呂場の窓の鍵を開けて悠々とお出かけ、ご帰還はいつも同じ窓からの安全帰宅で、ちゃんと鍵をかけていた。

 ところが、そのうち名寮長はかけたはずの風呂場の窓の鍵が開いているのを発見する。そこで名寮長は夜遅く戻ってくる悪太郎のために一計を案じた。窓の下にある風呂桶のお湯はいつもはすっかり抜いてしまうのに、その夜は抜かずにたっぷりと溜めて悪太郎の帰りを待った。

セオ 羽佐間さんの話を聞くと2人の光景がリアルに浮かんできますね。