Close up 夏場でもステーキ3皿にチャーハンを平らげる楽天の救世主 釜田佳直「二軍落ちで、目が覚めた」

フライデー プロフィール
釜田のモットー「闘球」。「高校の監督に毎日課題をノートに書いて提出していましたが、『字が汚くて読めん!』と突き返されているうちに達筆になりました」と照れる

 そして翌日、星野監督から二軍落ちを命じられる。だが、釜田は慌てなかった。この降格をチャンスと捉えたのだ。

「夏場に入り知らず知らずのうちに疲れが溜まり、腕が思うように振れなくなっていました。調子を落としてあれこれ考え、僕の持ち味である気持ちで押す投球を見失っていた。そんな中で二軍落ちを命じられたので、『これはチャンスだ』と思いました。心身をリセットし、自分を見つめ直す時間をもらえたんですから」

 ファームでの約10日間、釜田は一度もブルペンに入らなかった。一日30分ほどのシャドーピッチングとキャッチボールで、投球フォームを確認しただけ。完全休養日には、映画館に出かけ『BRAVE HEARTS 海猿』を鑑賞。頭の中を空にして、疲れを取ることに専念したのだ。

「それまでは結果を気にして、変にまとまっていました。でもファームでリフレッシュできたことは、僕にとって大きかった。初心に返り、自分の投球スタイルを取り戻すことができたんです。直球をどんどん投げ込む、強気のスタイルです」

 釜田は8月9日に一軍に復帰すると、いきなり3連勝。9月9日現在パ・リーグのルーキートップの6勝(1敗)をあげ、新人王候補の最右翼にいる。常にお手本としているのは、田中将大だ。

「田中さんを見ていると、投球バランスの大切さを痛感します。キャッチボールでもフォームが乱れないので、相手が構えた場所にキレイな球を投げ込んでいる。変化球についても、こうアドバイスを受けています。『大切なのは大きく曲げることではない。どんなコースにどんな球を投げれば打者が嫌がるか考えろ』と。今年の目標は、その田中さんがルーキーの年にあげた11勝(7敗)を上回る成績を残すこと。そして新人王を取ることです」

 8月下旬には先輩投手の辛島航(21)と仙台市内の焼き肉店に入り、150gの牛ステーキ3皿とチャーハンを平らげた。6月から体重も3kg増えて、身体も一回り成長した釜田。楽天の救世主として、チームを3年ぶりのAクラスに導けるか。

「フライデー」2012年9月28日号より