2012.10.08(Mon) 万年野党事務局

魚を食べよう日本の魚食文化を守れ!
水産庁「魚の国のしあわせ」プロジェクト
官民協働で消費拡大へ

筆者プロフィール&コラム概要

 このプロジェクトは水産庁の若手職員が中心になっているのが特徴だ。若い世代の魚離れを食い止め、魚に目を向けてもらうためには、同世代の感覚と視点が必要と考えたからだ。庁内から公募して選ばれた主に20歳代の職員8人が「チームトゥエンティーズ」と結成。名刺にも印刷している。

 官民協働で推進するプロジェクトではあるが、水産庁の当該予算はいまのところゼロ。事務局を担う新井ゆたか企画課長は「予算がなくてもできる仕事はある」と前向きだ。「ファストフィッシュ」の共通ロゴは有名デザイナーの手によるもの。デザイン料は安くないが、若手職員が庁内を回り、長官以下多くの職員のカンパを募ったという。

 また、チームトゥエンティーズのメンバーは7月8日、三浦半島にある長井漁港(神奈川県横須賀市)で水揚げされた魚の選別作業や、横浜市内のスーパーの鮮魚売り場で店頭販売の体験をした。

 入省4年目の笹野ふみさん(26)は「現場の作業をさせていただいたのは初めてで貴重な体験になった。ゴマサバとマサバを選別するのが難しかった」と振り返る。静岡県出身で子どものころからカツオやキンメダイなどには親しんでいたというが「東京で1人暮らしをするようになってからは、あまり食べなくなった」と自らの魚離れを認める。「今はお弁当に魚のおかずを入れるようにしている」とも話していた。

 今後の官民協働の取り組みとしては、さまざまな分野の専門家で構成する「魚食普及委員会」を作り、交流フォーラムやシンポジウムなどを全国的に仕掛けていく方針だ。

大手スーパーの商戦始まる
三陸支援の骨抜きさんま、レンジ商品

 水産庁が提唱した「ファストフィッシュ」に呼応して、大手スーパーなどは早くも鮮魚売り場に新商品を並べ、秋の商戦をスタートさせている。

 イオンは、第1回委員会翌日の8月24日、「ファストフィッシュ」に選定された「骨取りさんま」を全国500店舗で売り出した。消費者からの「魚は骨を取るのが面倒」「味付けや調理方法が分からない」という不満や悩みに応えようと、サンマの骨を抜き取り、味付けしてフライパンで焼くだけで食べられる商品だ。

 この商品は、イオンが昨年の震災で大きな被害を受けた三陸地方の復興支援の一環として、岩手県の久慈市漁協と協力し、直接取引で仕入れたサンマを原料に、味付けには同県藤沢産のニンニクを使用するなど、三陸の地場産品にこだわっている。また、三陸鉄道ともタイアップして、そのイメージキャラクター「鉄道ダンシ」や、三陸の観光資源である「つりがね洞」や「浄土が浜」など沿線の景勝地をパッケージデザインに採用するなど、ローカル色を出している。

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