[パラリンピック]
陸上・廣道、トラックの神様が与えてくれた決勝への切符

スポーツコミュニケーションズ

決勝はスタートが勝負

 安堵の表情を浮かべながらミックスゾーンに現れた廣道は、次のようにレースの感想を語った。

「確実に世界のレベルは上がっている。反対に日本は進歩していないことが浮き彫りになった。自分の中では北京よりも上げてきたつもりが予選ぎりぎりで通るという情けない結果になったが、逆に面白くなってきたなという感じですね。今思うと、メダルが獲れたシドニー、アテネは世界のレベルが違っていたんだなと。ここからもう一度、メダルが獲れるようにしっかりと仕上げていかないとアスリートではないなと思いました」

 決勝は5日(現地時間)。予選のビデオを見て分析し直し、どんなシチュエーションでも対応できるように、何十通りものパターンをシミュレーションしていくという。

「今日、予選を走ってみてはっきりしたのはスタートが勝負になるということ。これまではマラソンから転向してくる選手が多かったために、スタートはゆっくりいって、途中で抜いて、最後は誰もさされないというような勝ち方だった。でも、今は高速レースなので、スピードが落ちないまま最後までいってしまう。

 だから、スタートで前のポジションを取られてしまったら、後ろからさすことができずに終わってしまうんです。いかにスタートでいいポジションを取れるかが勝負になる。決勝ではスタートから全開で食らいついて最後、必死になってまくるしかないですね。もう腕がちぎれるまで、まくるだけです!」

 トラックの神様が与えてくれたチャンスを無駄にはできない。「とにかく自分の力を出し切ったというレースをしたい」と廣道。長年培ってきたアスリート根性に期待したい。

(斎藤寿子)