大反響の「日本の大金持ち研究」遺産相続・詐欺・恐喝・骨肉の争い なってみないと分からない連続インタビュー大金持ちはこんなことで悩んでいる

週刊現代 プロフィール

 河中氏の年収は約3億5000万円。総資産100億円を誇る大富豪だ。

 その河中氏に、「紀州・和歌山にある2万坪のミカン畑を購入して新事業を興す計画だが、その運転資金として5000万円投資しないか」という話が持ち込まれた。その気になった河中氏は、話の仲介者である不動産会社役員2名、銀行の支店長ら2名を連れて、南紀州の某ホテルまで会いにでかけたという。

「そのホテルは、新事業を計画している方が経営しているホテルと聞いていました。ところが行ってみたら、雰囲気がどうにも怪しい。コワモテの人たちばかりで、どう見たって暴力団の集まりなんです。社長として紹介されたのは、暴力団の親分でした。そのうち親分は、私が連れて行った銀行の支店長に、『5000万円なんて言わず、もっと出せ』と言い出した。支店長らはびびっていたけど、私はヤクザなんかにびびっていたら商売なんてできないと思い、『俺はビジネスマンだ。ビジネスのためにやってきた。契約と違うものにはビタ一文出せねえ!』と怒鳴りつけました。すると親分が血相を変えて凄んできたので、『ヤクザごときが俺みたいにまっとうに生きる善良な高額納税者に何ぬかしとんのじゃ』と、私も負けずに言い返しました。最終的には、契約以外の話はすべて突っぱねて、何事もなく帰ってきましたが、こういう輩に絡まれるのは日常茶飯事です」

 ここまでくれば立派な恐喝だが、それを跳ね返す胆力がなければ莫大な資産は守れないということだろう。

 河中氏は海外の不動産投資で、華僑とぶつかったこともあるという。

「香港で競売物件を1億円ほどで購入したとき、華僑が債務者と虚偽の契約書をつくり、私が購入したあとも物件に居座り続けたんですよ。これは粛々と裁判を進め、物件から出ていってもらいました。そこらへんのヤクザや詐欺師なんかを怖がっていたら、商売なんてできませんよ。怖がるからヤクザはつけあがる。堂々としていればいいんです。ただ、こんなことで貴重な時間をとられるのは、ほんとうにしょうもない」

海外投資話にひっかかる

 ここまで紹介してきたのは、先祖代々の土地持ちや、起業して成功した伝統的な大金持ちタイプの悩みだ。

 このタイプとは別に、近年ITやコンサル業で年収5000万円程度を稼ぎ出すようになった新富裕層も、別の悩みを抱えているという。彼らは手にした資産を守り、少しでも税金を抑えようと汲々としている。

 そんな新富裕層を狙った海外投資話が増えていると指摘するのは、資産家向け投資助言会社、アブラハム・プライベートバンク社長の高岡壮一郎氏だ。

「新富裕層の中には、小金を持つと、節税対策として海外に銀行口座を開設して、国外に資産を移そうとする人が結構います。そこがまず勘違いの始まりです。

 第一に、海外銀行口座に資金を移しても、日本への納税義務は残ります。