馬場康夫(ホイチョイ・プロダクションズ)トークライブ【後編】「若いやつが、そんなに自分というものを持ってどうする。『空っぽの器』でいいじゃないか」

 たとえば、銀座のエスキスとかレカイヨとか、グランメゾンで1人4、5万円もするような店に、男が張り込んで連れて行ったとしても、割と女性って冷ややかに「はぁ、そういうこと?」というふうにご覧になっている。女性があとで自分のお金で行けるような店、フグレントウキョウなんかもそうですけど、すごく安くて自分だけで行っても楽しめるような店に行くほうが、この不況の時代には効果が高いんじゃないかと思います。

 そういう意味で、逆に女性からしたら、男が食事に連れて行ってやるというときに、「おまえ、そういうつもりだったら、高い店に連れて行けよ」みたいな意味で言えば、今言ったエスキスなんてミッシェル・トロワグラのシェフだった方が銀座に開いた店で、行ってみたら2人で6万円しましたから、そこなんか連れて行って6万円払わせたら大分戦果が高いんじゃないですかね。

質問者A: じゃあ、そういうところに僕が連れて行かれたら、やれちゃうみたいに思ってもいいんですか?(笑)

馬場: これは、大丈夫だと思うじゃないですか。ところがですね、こういう手合いの人はしぶとくて、「じゃあ、次はどこそこ、次はどこそこ」というふうになってきてキリがないわけですね(笑)。だから、必ずしも大丈夫かどうかはわからないですね。

 『週刊文春』に橋下徹のスキャンダルが出ていて、愛人だった人によれば4回目のデートでやったと書いてあって、意外と橋下さんは紳士だな、と思ったんですが(笑)、1回多く払ってあげているのかな、と思いましたけどね。大体3回行けば何とかなるじゃないですか。

質問者A: わかりました、ありがとうございます。頑張ります。

馬場: いつでも個人的にお問い合わせいただければ(笑)。そういう仕事じゃないというのに、よく電話がかかってきて「これからどこへ行けばいいかな」とかよく聞かれるんです。

頼むから読まないでください

質問者B: まさに今草食系男子なんて言われていますから、『東京いい店やれる店』みたいな本を、そういう若い人が手に取るのかな、と疑問に思うんですが、逆に馬場さんとしてはそういう興味のなさそうな連中に読ませる仕掛けのようなものは何かあるんですか?

馬場: いや、考え方としては逆ですね。本音を言えば、頼むから読まないでくれという(笑)。本当にこの本の冒頭に書いたように、今の若者のデートのやり方というのは、たとえば「下北沢駅前に7時前頃集合ね、というふうに言って、まったく予約も何もしないでどこかの店に入っていくんですね。

 僕は下北沢の近くが事務所なので、下北沢のそこそこ良い店にいると、アンポンタンなカップルがぶらっと入って来て、「予約していないんですけど」すら言わずに「満席です」と断られて帰って行くんですが、僕らの感覚で言うと「予約しないで店に行くの?」という感じなんです。