今季、香川からはこの7月に、アレックス・マエストリをシーズン途中でNPB(オリックス)に送りこむことができました。彼の長所は何より練習熱心なところ。そして、新しい環境に対する適応力がありました。外国人が成功する上での第一条件はクリアしていたと思います。
技術的にも抑えを経験したことで、ピンチにも動じなくなり、制球もより重視して投げるようになりました。NPBの1軍で投げるには外国人枠がありますから、より激しい競争が待っていることでしょう。ただ、必ずチャンスは訪れます。オリックスの2軍では先発で投げているようですし、どういう形であれ、巡ってきた機会をモノにしてほしいものです。
8月になれば、NPBのドラフト会議までは、もう2カ月ちょっとです。逆に言えば、NPB入りには、この2カ月が最後の勝負どころとなります。とはいえ、夏場はどうしても体力が落ち、球威も出てこないものです。これは前向きにとらえれば、ボールのキレや回転、制球力などをアピールするチャンスとも言えるでしょう。
また、スカウトは試合だけでなく、練習態度や試合前の準備といった部分も必ずチェックしています。選手たちには「常に誰かに見られている」という意識で、これからの時期を過ごしてほしいと感じています。
エースの高尾健太が離脱中で、マエストリもいなくなり、現状、香川の投手陣は8人。しかし、どの選手もしっかりチームに必要な戦力として頑張っています。リーグチャンピオンシップを勝ち抜いての独立リーグ日本一、そして、ひとりでも多くのNPB選手を輩出できるよう、勝負の2カ月を選手と一緒になって頑張っていきます。引き続き、応援よろしくお願いします。