[ロンドン五輪]
<第10日(5日)>フェンシング男子団体、銀メダル 室伏は銅 ボルトは五輪新で連覇達成

スポーツコミュニケーションズ

男子団体、史上初の銀メダル ~フェンシング~

 フェンシングの男子フルーレ団体・決勝では、日本が王者イタリアを相手に善戦したものの、39-45で敗れ、金メダルにはあと一歩及ばなかった。それでも銀メダルは団体では史上初の快挙となった。

 日本が誇るフェンサーたちが、世界を相手に鮮やかな剣さばきを見せた。準々決勝は世界ランク2位の中国、準決勝では同3位のドイツと、同7位の日本にとっては格上の相手を連破し、一気に決勝まで駆け上がった。準々決勝では、今大会の個人戦金メダリスト・雷声を擁する中国を撃破した。日本チームを牽引したのは、五輪2大会連続出場の千田健太(ネクサス)だった。

 個人戦では初戦敗退と振るわなかった千田だが、この試合では第4セットで10ポイントを奪う活躍で、中国を突き放した。その後、好調の千田に連鎖反応するかのように、チーム最年少の三宅諒(慶応大)、北京では個人で銀メダルを獲得したエースの太田雄貴(森永製菓)も着実に得点を稼ぎ、最終セットで太田が勝利を意味する45ポイント目を突き刺し、準決勝進出を決めた。千田は20ポイントを獲得する活躍を見せ、昨年の世界選手権覇者を45-30で破る快進撃を演出した。

 続く準決勝では、エースが意地を見せた。4ポイントリードで迎えた第6セット、太田は北京での個人決勝で敗れているベンヤミン・クライブリンクと対戦する。今大会では個人2回戦で破っているとはいえ、決して容易に勝てる相手ではない。個人戦での屈辱を晴らそうとするクライブリンクに一時は9連続ポイントを奪われ、逆転を許した。しかし、太田は失いかけた流れを自らの力で手繰り寄せる。怒涛の反撃で6ポイントを奪い返し、28-23と再び逆転に成功した。三宅、千田とつないだ最終セットは、日本の3点リードで太田とピーター・ヨピッヒが対戦。太田が先制するも、ヨピッヒに5連続ポイントを奪われ、ドイツに逆転を許した。その後は、終盤まで得点を奪い合う拮抗した状態が続いた。

 試合が動いたのは残り9秒。ヨピッヒがリードを2点に広げ、突きはなしにかかる。だが、この窮地にもエースは諦めなかった。不屈の闘志を見せ、残り6秒で1点差に迫ると、ラスト1秒で同点に追いつく。土壇場でタイスコアに持ち込んで、メダルをかけた決戦は、1分間の延長戦へ。先にポイントを奪った方が勝利するサドンデス方式で行なわれた延長戦でも一進一退の激しい攻防戦が続いた。そして残り47秒、ついに勝敗が決する。太田とヨピッヒの剣がお互いを突き刺し、両者が同時に拳を挙げる。ビデオ判定の結果、審判が認めたのは太田のポイントだった。激闘を制した日本は、金メダルを目指し、ファイナルステージに挑んだ。

 決勝の相手は2004年アテネ五輪で団体金メダルを獲得し、世界ランク2位のアンドレア・カッサーラを擁する強豪イタリア。今大会では既に女子が団体で金メダルを獲得し、アベック優勝を狙っていた。しかし、劇的勝利を収めた準決勝の勢いそのままに、日本は第1セット、三宅が5-3でリードを奪い、好スタートを切った。だが、第3セットで千田が13-15と逆転を許すと、第4セットも点差を縮めることができずに苦しい展開となる。

 その後、日本は必死に食い下がり、中盤の第6セットでは太田がエースの意地を見せて一時、同点に追いついた。だが、その後、再びリード許した日本は、流れを変えようと第8セットで今大会初めて淡路卓(ネクサス)を投入するも、挽回することはできなかった。そして37-40で迎えた最終セット、太田の猛追も及ばず、39-45で敗れた。頂点には届かなかったものの、銀メダルは世界選手権、五輪あわせて男女を通じて団体では日本の最高成績。日本フェンシング界に新たな歴史が刻まれた。