[ロンドン五輪]
<第6日(1日)>体操・内村、個人総合28年ぶり金! 競泳・立石、星が銅 北島は4位

柔道・西山は銅 卓球・石川は4位
スポーツコミュニケーションズ

西山、気力でつかんだメダル~柔道~

 男子90キロ級の西山将士 (新日鉄)は準々決勝で敗れたが、敗者復活戦、3位決定戦を勝利し、銅メダルを獲得した。

 勝利の瞬間は精魂尽き果てたような表情だった。敗者復活戦、3位決定戦と2試合連続で延長戦の末の旗判定。明らかに疲労の色は隠せないなか、それでも西山は足技を仕掛けて攻め続けた。雑草から這い上がってきた男らしいメダル獲得だった。

 昨年の今頃、西山が代表に選ばれると予想していた人間は少なかったに違いない。100キロ級だった国士舘大時代は際立った実績なし。新日鉄入り後、90キロ級に下げて講道館杯で3連覇したものの、この階級の代表は世界柔道で2年連続準優勝を収めた西山大希が有力候補だった。

“もうひとりの西山”に過ぎなかった男が、代表争いに加わったのが昨年末のグランドスラム東京だ。連覇を達成し、国際大会でも勝てるところを示した。そして1月のマスターズ、世界柔道を連覇した第一人者イリアス・イリアディス(ギリシャ)に優勢勝ち。五輪で結果を残せる存在として猛アピールし、出場権をつかんだ。

 この日は、そのイリアディスが準々決勝で敗れる波乱。西山にとっては金メダルへ大きなチャンスが巡ってきていた。だが、イリアディス敗戦を目の前で見た準々決勝、宋大男(韓国)に背負い投げを許して有効を奪われる。さらに再び背負い投げを仕掛けられ、体が畳の上で一回転。技ありを告げられ、劣勢に立たされた。

 だが、西山は決して諦めない。虎視耽々と逆転の機会を狙い、その時を待つ。残り30秒。組んで相手を押し込むと、両足が揃った。左足をかけ、大外刈りで豪快に倒す。宋大男の背中がつき、主審は一本を宣告。しかし、副審は両者ともに技ありの判定だった。一本は取り消され、勝利は幻に。有効の分、まだリードしている相手から、さらなるポイントは得られず、悔しい敗戦となった。

 普通の選手ならここで精神的にも切れてもおかしくないところ。短時間で気持ちを切り替え、敗者復活戦、3位決定戦とギリギリの試合を勝ち切った。世界柔道に出た経験もない西山にとっては、初の大きな国際舞台だった。本人は決して納得できないだろうが、粘ってメダルをつかんだことは必ずや今後につながるはずだ。