予定調和な論調に惑わされずに「知りたいこと」「考えるヒント」を探り出す手間と意味について

 連日、消費税の増税と小沢一郎グループの動向についての報道が続く。評論家が政局を占い、新聞テレビは緊急世論調査をレポートする。いま、マスコミの論調は、多くの国民が「増税法案に反対」であり「小沢一郎の新党への期待は薄い」である。

 今回の増税、政局について、新聞社やテレビ局が行う世論調査果は"民意"を表していると言えるのだろうか。発表される数字(%)に偽りはないのだろうけれど、この増税反対&小沢一郎不人気一辺倒の論調に違和感を覚えるのはなぜだろうか。

生活者に"増税に賛成か反対か"と尋ねれば多くの人はどう答えるだろうか。同じくいま、"小沢新党に期待しますか"と問われればどう答えるだろうか。

 いずれも結果は想像に難くない。世の常として、増税には反対であり、もともと小沢一郎という人物は人気がない。小沢氏の支持者は少なくないと思うが、いわゆる"人気者"ではなく、むしろ"ヒール(悪役)"のイメージが強い。そんな小沢一郎に批判的な新聞社が実施する世論調査にはどんな意味があるのだろうか。

"小沢一郎物語"一色の報道に対する違和感

 予測通りにストーリーが進行した小説や映画などを評して「予定調和」という言葉を用いるが、"民意"という空気を読みながら、一番あたりさわりのない結論に収斂されていくマスコミの論調もまた予定調和そのものと言える。そんなときには、「待てよ」と思い、いろんな記事や意見を読みあわせてみる。

 例えば、日刊ゲンダイが、敢えて「小沢一郎を擁護、応援する」論調は異彩を放つ。ネットではその記事にスレッドが立ち、小沢一郎を応援する支援者、応援者の声が続く。彼らの政敵は、野田政権執行部でも、自民党でもない、最大の敵はマスコミであることがよくわかる。

 一方、小沢一郎を徹底的に追い詰めるスキャンダル報道を続ける『週刊文書』は、"妻にも見放され""放射能から逃げて地元を見放した"小沢一郎がいよいよ窮地に追い込まれるという。この記事の信憑性についてもネットで様々な意見が交わされている。

 こうやって様々な記事や意見を見ているうちに、自分が感じている「違和感」の正体に気付く。つまり、新聞もテレビも週刊誌も"小沢一郎物語"一色であることへの違和感である。これから日本の将来を大きく左右する(特に若者や子供たちにとって大きな意味をもつ)消費税の増税や財政再建について検証すべき時なのに、そういう情報が圧倒的に不足している。

 小沢一郎という人物の存在感を思い知る。大した政治家なのだと思う。しかしながら、小沢新党に期待をするもしないも、もはやその成り行きに興味も関心もないというのが本音なのである。

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