[サッカー]
大野俊三「W杯最終予選、最大の収穫」

スポーツコミュニケーションズ

審判の傾向をつかめ!

 ただ、オーストラリア戦では課題も見受けられました。それは判断のケアレスミスです。たとえば日本は先制直後、内田篤人(シャルケ)がPA内でファウルを犯し、PKで同点にされてしまいました。CKのポジション争いの渦中でしたから、DFとして激しく競り合ったことは間違いではありません。日本側からすれば、厳しすぎる判定でしょう。しかし、この試合はアウェーで、かつ相手に退場者が出ていました。それらを踏まえれば、「日本にも厳しいジャッジが下されるかもしれない」と細心の注意を払うべきだったと思います。

 確かにオーストラリア戦は不可解な判定が多くありました。終盤には栗原が2枚目の警告で退場させられ、ロスタイムには日本がFKのチャンスをつかんだにもかかわらず、試合終了の笛が鳴らされました。ただ、アウェーではこういうことも起こり得るものです。レフェリーも人間ですから、機械のように全員が同じジャッジを下すことはまずありません。今後は審判の判断基準や、どのような場面、時間帯にファウルを取るのかという傾向をスタッフ、選手で情報収集をすることも必要になるでしょう。今回の経験を、まだまだ続く最終予選の戦いに生かしてほしいですね。

 次のイラク戦(9月、ホーム)では、今野泰幸(G大阪)、内田、栗原というDFラインの主力選手が軒並み出場停止になります。これはザックジャパンにとってはかなりの痛手です。しかし、控えメンバーはもちろん、代表に選ばれていない選手たちにとっては、大きなチャンスと言えるでしょう。イラク戦までに2試合の親善試合も予定されていますから、そういった選手たちがぜひ実力をアピールして、チームに新しい風を吹き込んでもらいたいですね。そして、この3連戦での得た収穫と課題をさらなる代表のレベルアップにつなげられるよう願っています。

大野俊三(おおの しゅんぞう)プロフィール>
元プロサッカー選手。1965年3月29日生まれ、千葉県船橋市出身。1983年に市立習志野高校を卒業後、住友金属工業に入社。1992年鹿島アント ラーズ設立とともにプロ契約を結び、屈強のディフェンダーとして初期のアントラーズ黄金時代を支えた。京都パープルサンガに移籍したのち96年末に現役引 退。その後の2年間を同クラブの指導スタッフ、普及スタッフとして過ごす。現在、鹿島ハイツスポーツプラザ(http://kashima-hsp.com/)の総支配人としてソフト、ハード両面でのスポーツ拠点作りに励む傍ら、サッカー教室やTV解説等で多忙な日々を過ごしている。93年Jリーグベストイレブン、元日本代表。