先天異常、ダウン症の可能性がこれだけ高まる 国民的大問題高齢出産のリスクを考える

週刊現代 プロフィール

 実は注意すべきは後者。年をとっても女性の卵子は変化しない、閉経するまで妊娠できると誤解している人が意外に多いんです」

 だが、自身も35歳で出産を経験したという宋医師は、高齢出産には一定のメリットもあると考えている。

「出産で仕事を休んでも、ある程度のキャリアを積んでいれば、焦って仕事に復帰する必要がありません。それなりに人脈もできていて、困ったときには周囲が助けてくれる。

 年齢を重ねると、経済的な余裕がある場合も多いので、子育てにゆとりができる。経済的な基盤がない20代で妊娠・出産を選ぶと、生活も子育ても常にギリギリの状態になってしまいがちです。人生経験がある30代、40代の母親の方が、若い母親より子供にいい影響を与えられることもあるのではないでしょうか」

 前出の菅沼医師は、「生物学的には、できる限り30歳までに初産を済ませて欲しいですが」と前置きしたうえで、それでも子どもが欲しい35歳以上のカップルに向けアドバイスをくれた。

「本当はごく簡単なことで、規則正しい生活をし、心と体に余裕をもって健康でいることが一番不妊には効く。しかし今の世の中では、逆にそれが最も難しいことになってしまっている。大変な時代です」

 心身を整え、リスクを正しく知る—人間の基本に立ち返って、高齢出産社会に臨まねばならない。

「週刊現代」2012年6月30日号より