先天異常、ダウン症の可能性がこれだけ高まる 国民的大問題高齢出産のリスクを考える

週刊現代 プロフィール

 あるいは、特に知識のないまま仕事に打ち込んでしまう。私のところにも『卵子の老化のことをもっと早く知っていたら、夫婦間で話し合っていたのに』と相談してくる女性はたくさんいます。

 結局、夫と日頃のコミュニケーションがうまく取れていないのです。結婚以来ずっと〝なあなあ〟で、正面からの話し合いを避けてきた。その結果、カウンセリングを受けたときには、もう高齢出産のリスクを冒すほかない年齢になってしまっているんです」

 フリーアナウンサーの松本洋子さん(48)は、仕事と子作りのバランスに悩んだ一人だ。彼女は30歳を過ぎてから妊娠したものの、続けざまに3度の切迫流産に見舞われ、4度目の正直でようやく無事出産したという経験を持つ。

「忙しい中、特に子供がほしいという欲求もないまま、32歳で自然妊娠しました。ですが、健康だったにもかかわらず、原因不明の切迫流産。2度目も同じ結果になりました。34歳で3度目の妊娠をしたときは仕事も控えて出産に備えたんですが、また流産でした。あまりに辛くて、もう子どもは諦めていました」

 38歳で4度目の妊娠がわかったときは、喜びより戸惑いが先立った。

「恥ずかしいという気持ちが強かったですね。これまでのことがあるし、親や同僚を失望させてばかりいたので、妊娠したことを誰にも知らせなかったんです」

 そうして生まれた娘は現在、小学4年生に成長した。「ようやく生まれて、ここまで育ってくれて感謝しています」と顔をほころばす松本氏は、高齢出産が増え続ける日本の現状を働く女性の立場からこう見ている。

「今のように、大学を出て就職する女性がほとんどという世の中では、女性の出産年齢が高くなるのは当たり前。仕事に夢中になって、ふと気づいたら30歳という女性はザラですから、どうしたって、結婚や出産の時期は変わってくるのではないでしょうか」

 一方、高齢出産を安易に容認することに疑義を唱えるのが、前出の根津医師だ。

「もちろん、選択は自由です。ですが、本来女性にとってどの年齢が妊娠・出産に適しているかをきちんと認識してほしい。

 先頃50歳という超高齢で出産した野田聖子さんが『生理がある間は妊娠できると思っていた』とおっしゃっていましたが、彼女のように知的な女性ですら、妊娠・出産の基礎知識がなかったというのが日本の実状。だからこそ、若いうちから適正な教育が必要なんです」

できる限り30歳までに

 高齢出産に臨む女性に、妊娠・出産についての知識が不足しているという点については、産婦人科医の宋美玄氏も同意する。

「40歳以上の女性には、いろいろなリスクを考えて怖がってしまい、結局妊娠なんてしないほうがいい、と諦めてしまう人と、40歳になっても『まだ、大丈夫だわ』とのんびり構えている人がいます。