人生一度きりだから、人の役に立ちたいと思った・・・
30すぎてから医者を志した人たちの「熱き物語」

週刊現代 プロフィール

 初めは医師、看護師、事務、掃除係と一人4役をこなしてきたが、今は理解あるスタッフに恵まれている。

「私の人生は壁にぶつかっては方向転換することの繰り返しです。でも、失敗は何度でもできる。一度きりの人生、失敗したら何度でもやり直せばいいんだと考えています」

 他にも、51歳で医者になった禅僧や、元タカラジェンヌの救命救急医など、転職医にはユニークな経歴を持つ人が多い。だが、社会経験を積んでから医学部に入りなおすという人は、各大学の統計を見ても数年に一人という割合だ。

「本来、医者というのは最も庶民的な仕事であるべきだと私は思っています。なぜなら、医者はあらゆる職業、階層の患者と平等に向き合わなければなりません。それなのに、最近はプライドがやたら高かったり、相手の話を聞こうとしない医者が多い。幅広い層の人と心を通い合わせることのできる医者がもっと増えることを願います」(前出・川渕医師)

 名医に経歴は関係ない。彼らのような垣根のない医者こそ、これからの医療に必要な存在かもしれない。

「週刊現代」2012年6月16日号より