二宮寿朗「ブンデスが日本人プレーヤーを愛する理由」

二宮 寿朗

Jクラブは強気な交渉を

 筑波大を卒業してドイツに渡った風間八宏(現川崎フロンターレ監督)からも「サッカーにおいてドイツ人は日本人の真面目さを信頼している」と聞いたことがある。ドイツは経済が好調で資金的に潤っているクラブが多い。決して日本企業のスポンサーを期待して日本人選手を獲得しているわけではなく、奥寺を筆頭に受け継いできた日本人プレーヤーの資質に期待して獲得に動いていると見るのが自然だろう。

 今後も“ブンデス挑戦”の傾向は続いていくはずだ。しかし、これからは選手を送り出すJリーグのクラブも考えなくてはならない。

 香川がC大阪から移籍する際、違約金は35万ユーロ(約4000万円)だったと言われている。今回マンチェスター・ユナイテッドが提示した違約金は700万ポンド(約9億円)と報じられており、移籍が合意至ればドルトムントは大きな利益を手にすることができる。

 今回、清武も酒井宏もそれぞれ事情は違うものの、違約金が100万ユーロ(約1億2000万円)に設定されていると聞く。1億に乗せただけでもC大阪、柏が粘り強く交渉した成果だと思う。

「日本人にどれぐらいの力があるのか」と品定めされる時代は、少なくともドイツにおいては完全に終わった。日本人プレーヤーの価値が高まっているという状況を考えれば、次にドイツに渡る選手が出た場合、もっと強気な交渉も可能なはずである。

 清武も酒井宏も若くてテクニックがあり、献身性がある。ドイツでもブレイクする日はそう遠くないだろう。