2012.05.20(Sun) 安倍 昭恵

京都吉兆三代目、徳岡邦夫さんに聞く【第3回】
「一次産業のひとたちとナパバレーにジャパンタウンをつくりたい!」

筆者プロフィール&コラム概要

徳岡: 喜んでくれました。話しが進むうち、輸入品の小麦や砂糖などは一切使わず、福島産のそば粉やはちみつを使うなど、「すべて福島のものでつくろう」ということになりました。

 クリームはあまり入れず、オリーブオイルを使って大人風味の味わいにする。クッキーの中には、福島特産の果物を使ったドライフルーツなどもいれる。ミルクたっぷりのこってりしたクッキーではなく、シンプルで健康的な味わい、ドライでナチュラルなタイプのクッキーを作ることにしました。

安倍: 実際に子供たちがつくったのですか?

徳岡: 被災した子供たちに実際につくってもらい商品化しました。ただ、そこまででプロジェクトが止まってしまっているんです・・・。

安倍: 何か問題があったのでしょうか?

徳岡: 商品化後は、海外に売るためのマーケットを考えなければと思い、知人に、発信してもらえるよう働きかけました。

 例えば、30年来の友人であるシャンパーニュクリュッグのオーナー オリヴィエ・クリュッグ氏が、震災後、京都にきてくれた時にこの話をしたら、「喜んで力になる」と言ってくれました。彼のような人は、世界中のシェフや権力者を知っていて、とても影響力があります。

安倍: そういう方の協力が得られると、心強いですね。

徳岡: ただ、そういう人たちに話をし、広めてもらうからには、安全が確保・保証されていないとできない。だから、僕は、「安全面と衛生面を一番に考えてほしい」と現場の人に強く言っていました。

 今や福島は世界中の人が知る町となりましたよね。「福島って大丈夫?」と世界中の人が注目している中で、それを反対に利用し、「世界一安全なクッキー」という名前で売り出そうかなんて話していました。

 ただ、「安全面と衛生面の保証」という点が、まだ完全にクリアになっていないので、ストップしている状況です。

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(あべ・あきえ)元首相「安倍晋三」の妻。1987年、職場の上司の紹介で安倍晋太郎元外相(故人)の秘書を務めていた安倍晋三と結婚。
 


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