「国民の生活が第一」というなら、国民の生命を危険にさらす原発再稼働など、ありえない。「政治家の生活が第一」な人たちにはさっさと消えてもらおう。この国はいま変わらなければ、未来はない---。
「王になるべき男 橋下大阪市長」
そう題した記事を配信したのは、『ウォール・ストリート・ジャーナル』(WSJ)日本版である。
〈現職の議員たちがこの野心的な市長をどんな言葉で中傷しようと、より「決断力がある民主主義」を確立するための橋下氏のプログラムほど期待が持てるものは、この数年間他になかったかもしれない〉
世界の投資家、政財界トップが指針にしている高級紙が、5月3日に配信したコラムの中で、橋下徹・大阪市長を手放しで絶賛した。
橋下氏に対する評価は、いまやこの国の国論を二分している。「独裁者」「ヒトラー」など、橋下氏のその強すぎる個性について、強い批判も世に渦巻く。
だがそうした世論を踏まえた上で、WSJ紙は「王になるべき」とのタイトルを付け、記事を配信した。同紙は、橋下氏をこう評価し、期待を寄せている。
〈橋下氏の改革案には驚くほどブレがない〉
〈橋下氏は毎週のように、これまでの日本では敵に回すことがタブー視されてきた利益団体を標的にしている。原子力産業、日教組、公共交通機関、地元議会、さらにはパチンコ店(橋下氏のカジノ誘致構想は業界にとって脅威となる)といった具合に〉(筆者は慶応義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科准教授で元ジャーナリストのヒジノケン・ビクター・レオナード氏)
まさにその通り。'09年の総選挙で、国民は既得権益でガチガチに固まり、身動きが取れなくなった自民党政権を見限り、民主党に政権を託した。ところが、民主党も同じだった。口では脱官僚、政治主導などと言いながら、やってきたのは自民党と何も変わらない、霞が関依存政治である。
総選挙で公約したマニフェストを放棄し、未曾有の災害に直面しては右往左往、現在の野田佳彦首相は財務省の傀儡と化し、世論を無視して消費税の増税へとひた走っている。