[BCリーグ]
新潟・中山大コーチ「“気づき”こそがさらなる成長へ」

スポーツコミュニケーションズ

強まる絶対的な武器の必要性

 一方、阿部はコントロールがよくなり、昨季よりも安定感が出てきました。オフにコロンビアリーグで活躍したことも自信になっているのでしょう。現在は3試合に登板して2勝1敗、防御率2.66。初勝利を挙げた4月28日には、現在チーム打率(2割8分6厘)がリーグトップの石川に対し、8回途中まで無失点に封じる好投を見せてくれました。

 しかし、一つ、気になる点があります。昨季の阿部には決め球のフォークボールがありました。粗削りながら落差があり、いい時にはフォークとわかっていても、打者は前に飛ばすことさえできないほど、手元でストーンと落ちる素晴らしいフォークで、真っ直ぐと同じ腕の振りからきますので、三振を取りたい時などには非常に有効でした。ただ、制球が定まらないということが難点であったため、阿部本人とも「このボールでカウントを取れたら」という話をしていました。

 するとコロンビアから帰国後、阿部のフォークはほとんどがベース付近にいくようになっていたものの、代わりに落差がなくなってしまっていました。おそらく、オフにカウントを取れるように練習したのでしょう。そのために、昨季は思い切り投げていたのが、本人も気づかないうちにコントロールを重視した腕の振りになってしまっているのだと思います。落差がないために、甘く入り、逆に打ちやすいボールとなってしまっているのです。

 3試合(20回1/3)で26本と被安打数が多くなっているのは、それが一つの要因でもあります。調子がいい今は、直球とスライダーで抑えられていますが、それだけで1年間通用するほど、このリーグは甘くはありません。特にこれから疲労が蓄積する夏場に向け、どうしても決め球のフォークが必要となってくると思います。もちろん、それを本人に言うのは簡単です。しかし、やはり自主的に取り組むからこそ、力になるはず。阿部自身がフォークの必要性を感じてほしいのです。橋上秀樹前監督の教えを1年間、学んできた阿部ですから、きっと自分には何が必要なのかを考え、気づいてくれることでしょう。

 昨季、セットアッパーとしてリーグトップの防御率1.65をマークし、球団初の地区優勝に大きく貢献した間曽は、クローザーとなった今季も安定感は抜群。現在は5試合に登板し、2セーブをマーク。防御率は1.69を誇っています。とはいえ、彼にはこれで満足しては欲しくありません。彼が目指すべきところは、もっと高く、しいて言えば、BCリーグは通過点であるはずです。しかし、さらなる上のレベルにいくには、やはり絶対的に武器となる決め球が不可欠です。現在の間曽には最速142キロの直球と、キレのあるスライダーがあります。これらは、BCリーグでは十分に通用しますが、より上のレベルでは“普通”になってしまうのです。スピードで勝負できないのであれば、落ちる系のボールや緩急を使うなどして、打者の視点をかく乱させることが必要です。阿部同様、間曽にも、このことに気づいてほしいと思っています。