目覚ましい進化を続ける米国オンライン教育分野のイノベーション

 日本では新学期を迎えていた今年の春、海外、特にアメリカから、テクノロジーを活用した画期的な教育プログラムの取り組みが次々とリリースされ、日々目を疑うほどでした。

 以下の5つの記事は、4月から5月上旬までのたった1ヵ月程の間に飛び込んできたニュースです。概要をご紹介したいと思います。

米国著名大学発、相次ぐ無料オンライン教育プログラムの提供

4月18日 「NEA, Kleiner Tackle Online Education With $16M For Coursera(著名VCのKleiner Perkins Caufield & Byers(KPCB)とNew Enterprise Associates(NEA)によるオンライン教育への取り組み。1,600万ドルを教育ベンチャー、コーセラ(Coursera)に投資:ウォールストリート・ジャーナル)

 スタンフォード大学でコンピューターサイエンスを教えていたDaphne Koller氏とAndrew Ng氏という2人の教授が立ち上げたオンライン教育ベンチャー、「Coursera(コーセラ)」は昨年秋に同大学で2つの講義を公開、合計約20万人の視聴者を集めた経緯から起業に踏み切った経歴を持ちます。

 著名VC2社(KPCB &NEA)から1600万ドルもの出資を受け、既に開設済みのスタンフォード大学およびカリフォルニア大学バークレー校の講義に加え、更にプリンストン大学・スタンフォード大学・ミシガン大学・ペンシルバニア大学との提携も同時に発表されました。これら有名校の講義も順次オンラインで無料視聴出来るというニュースは、大きな注目を集めました。

 特徴としてはオンラインを通じた講義のそれぞれが全て10分から15分程度の短いセグメントにまとめられており、受講者の集中が途切れないような工夫がされていることです。視聴後に内容に関する簡単なクイズがあり、また、理解度に応じたフィードバックが得られたり、オンラインコミュニティを通じた学びが得られたりすることも特徴となっています。

●5月2日 「Harvard and M.I.T. Offer Free Online Courses
(ハーバード大学とMIT(マサチューセッツ工科大学)が無料のオンラインコースを提供へ:ニューヨークタイムズ)

 「Coursera」への投資に関するニュースが話題になった2週間後、今度は東海岸の名門大学であるハーバード大学とMITが合計6000万ドルを投じてオンライン無料教育プログラムNPO、「edX」を設立した、というニュースが飛び込んできました。

 「edX」はHarvardとMITのコースを、今まで学習機会へのアクセスが限られていた世界中の人びとに提供するだけでなく、ほかの教育機関も利用できるため、オンライン学習のコンテンツが一層充実していくことが期待されています。

 Coursera、そしてedXの試みは今まで狭き門となっていた有名大学の授業が世界のどこでも無料でアクセス出来るという点において、非常に大きなインパクトを与えました。今のところ学位授与はされず、修了証書が提供されるだけではありますが、オンライン教育により高いレベルの知識や教養が新興国も含めた世界の多くの人々に拡がることの意義は画期的といえます。

 なお、学位授与を可能にするオンライン教育ベンチャー企業「2tor」は4月上旬にDラウンドの追加資金調達(2,600万ドル)に成功、延べ9,700万ドルの資金(教育ベンチャーでの最大調達額)を糧に、南カルフォルニア大学、ジョージタウン大学、ノースキャロライナ大学等の大学院において、学位プログラムをオンラインで提供しています。

4月2日 「2tor Raises $26M D Round To Put Online Degrees In The Same Class As Their On-Campus Rivals(教育ベンチャー「2tor」がDラウンドの追加資金調達(2,600万ドル)に成功、オンライン高等教育学位プログラムをオンキャンパス正規プログラムのライバルに:テッククランチ)

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