週現スペシャル知らないのは患者だけ
怖くて書けない「病院の裏側」

週刊現代 プロフィール

 責任逃れの体制を守りたいのは、医療裁判が何より怖いからだ。病院や医師は、医療事故で裁判になったときのための保険にも入っているが、ほかにこんな「裏技」も使われているという。

「病院にはよく高級な絵画が飾られていますが、あれには裏事情があるんです。例えば10万円の絵画を50万円で購入したことにし、40万円をプールする。そうしてプールした裏ガネを、医療事故などのトラブル処理の費用に充てている病院は多い。病院には細かな医療ミスなどのトラブルが結構多いので、裏ガネはどうしても必要なのです」(埼玉県の総合病院院長)

 裏ガネと言えば、患者からの謝礼も医師にとって大きな収入源となる。

「最近は医師への謝礼の文化もなくなってきましたが、関西にある私立病院では、医者の月給よりも患者からの謝礼のほうが多いという話がいまもある。一部上場企業の社長や老舗の大店の家族など、富裕層が多いんです。患者によっては50万円ほど渡すことも少なくない。税金がかからないので言いにくい話ですが・・・・・・」(関西の総合病院外科医)

 また、人間ドックや美容整形外科など保険適用外の自由診療を行うクリニックの場合、診察料は病院の任意で決められる。そのため、有名医の名前で患者を集め、高額な費用を取っているところも少なくない。

 こんな話もある。コンタクトレンズを処方する診療所では、管理医師が常勤することが義務付けられているのだが、法律を守っているところはほとんどない。

「違反ではありますが、現実には、医師が名義だけ貸しているケースがほとんど。診療所に顔を出さなくても月に20万円程度の報酬が入るし、眼科医でなくてもOK。医師の中ではいいバイト先として知られています」(都内の開業医)

透析患者は〝定期預金〟

 不当に儲ける開業医がいる一方で、医療の歪みの大きな原因となっているのは、病院経営の苦しさだ。全国公私病院連盟と日本病院会が'11年に行った調査では、赤字の病院は62・3%。実に3分の2近くの病院が赤字経営ということで、それを埋めるために〝儲かる医療〟に走るのは必然で、こんなケースも出てくる。

「狭心症であれば、手術をすれば1回で完治するのに、カテーテル治療(血管に細い管を通し、狭窄を広げる治療)でお茶を濁す。詰まったら、またカテーテル。『バイパス手術は危険でカテーテルのほうが安全』と言って何度も繰り返す。4回カテーテルをやれば、医療費は全部で500万円以上かかります。患者負担分を除いた大部分が、公的保険から支払われている。ひどい無駄遣いです」(前出・南淵医師)

 開腹手術の必要がなく、「体に優しい」という触れ込みのカテーテル治療も、儲けのために利用されていることもあるのだ。

 都内にあるクリニックの内科医が漏らす。