「創業100年企業の血脈」
第二回 西武鉄道 「社員にカレーを振る舞ったピストル堤」

フライデー プロフィール

 康次郎氏の5男・猶二氏(70)が嘆く。

「今年1月にプリンスホテルで500人の希望退職を募ったところ、1600人以上の応募が殺到しました。このままでは業務ができなくなると、会社側は慌てて慰留に回っているそうです。康次郎は社員への『感謝と奉仕』を、経営理念として大切にしてきました。しかし今の西武グループには、そんな創業者の思いは残されていないのかもしれません」

 康次郎が晩年、秘書に口述筆記させた「家憲」の中には、次のようなことが記されてある(原文ママ)。

〈事業に役人の古手を連れて来ることは最もよくない。役人気質で事業は成り立たない。(中略)役人気質は日々生死の境を行く真剣な事業家のなす処ではない〉

 銀行出身者の手に経営が委ねられ、創業者の理念から大きく離れていく西武グループ。これから、どこに向かおうとしているのだろうか。

「フライデー」2012年5月4日号より