「ベンチ裏で選手たちが『チームが打てないのは監督のせいだ』と話していたと言うんです。
というのも原(辰徳)監督がシーズン開幕前に突然、『時にはスモールベースボールも必要だ』と言い出した。チーム全体で行っていたミーティングを撤廃し、個々にデータを配る手法に変えたんです。突然『ID野球を取り入れろ』と言われ、選手は混乱してしまった」(巨人担当記者)
昨年まで2年連続で優勝を逸し、焦りの見える指揮官に、開幕から約3週間で、早くも「今季限りで解任される」という噂が流れている。
「次期監督候補の一人だった吉村(禎章)コーチを解任して、〝子分〟の村田真一バッテリーコーチを打撃コーチに替えたり、『(阿部)慎之助が打たない』『小笠原(道大)がダメだ』など、敗因を選手に押しつけるようなコメントを出すようになったり、迷走している」(スポーツライター)
そんな原監督に代わる有力候補として名前が挙がっているのが、落合博満前中日監督だ。
「渡邉(恒雄)会長は、以前から原監督に『落合くんの野球を勉強しろ』と言うなど、落合氏の残した実績を高く評価しています。昨オフも、関係者を通じて監督就任を打診している。落合氏は、『あのフロントでは』と話しているが、可能性はゼロではない」(スポーツ紙デスク)
ただしコーチ経験もある、ある巨人OBはこのように指摘する。
「他に候補がいないから、ナベツネさんも『落合、落合』と言っていますが、落合は、勝つためには親会社も平気で無視する男です。いずれナベツネさんと衝突することは必至。
要はナベツネさんが、どれだけ全権を落合に委ねられるか、でしょう。今は落合も、それを見極めている状況です」
先日、落合氏はある講演会で、巨人の超過契約金騒動に触れ、
「私なら内部から機密がもれるようなズサンな情報管理はしない」
と話していたという。
落合氏はまた、
「ファンと共にというのも結構。ただし優勝という結果から外れなければね」
とも語っているが、原監督への皮肉に聞こえないこともない。
『週刊現代』2012年4月28日号より