だからプロ野球は面白い 中日・森繁和元ヘッドコーチが初めて明かす 「参謀」---落合博満は何が違うのか

週刊現代 プロフィール

「シゲはいいよなあ、いつも投手会(投手陣での食事会)に呼ばれて、うらやましいよ。オレなんて誰も呼んでくれない」

 落合監督は、よくこう言っていたものである。

 8年間苦楽をともにした監督には、だいたいのことは常に報告するように心がけていた。

 監督からも、

「特に選手と食事や飲みに行くときは事前に必ず報告してくれ」

 と言われていたので、選手たちとの会合はすべて伝えていた。

 そうすると、監督は「いいよなあ」と言いながら、「シゲ、これ持ってけ」と軍資金をポケットマネーから出してくれるのだ。

「監督は、リーダーは、嫌われる存在でいいんだ」

 と、監督は覚悟を決めていたのだと思う。

 特にバッテリーに関しては、監督は私にほとんどすべてを任せてくれており、「投手会」のようなグラウンド外のこともふくめて、こういうふうにカゲでいろいろ援助してくれた。

 私は現場の責任者にして選手と監督とのパイプ役。先発投手の順番、リリーフ投手への交代、一軍二軍の入れ替えなど、よくぞここまで信頼してくれると驚くほど、任せてくれた。

 もちろん迷ったときに最後の決断をするのは監督。責任を取る、批判されるのも監督だ。

コーチの給料はオレが決める

 選手に気持ちよく働いてもらう。

 そのためにはコーチにも厳しいながらも、気持よく働いてもらう。

 落合監督は、相当そこに気を遣っていたと思う。

「コーチの給料は、全部オレが決めたから」

 監督は今も口にするのだが、実際、待遇は相当よくしてもらったと思う。

「給料も決めておいたから、年俸○○万な」

「えっ?」