[アイランドリーグ]
香川・伊藤秀範コーチ「左腕王国誕生へ」

スポーツコミュニケーションズ

6月に投手は伸びる

 冨田康祐(横浜DeNA)が抜けたクローザーは現状では“助っ人”に頼ることになるでしょう。第1候補は広島から派遣される山野恭介(明豊高)。彼は先日、広島2軍との交流戦で登板し、いいストレートとスライダーを持っていました。抑えとして適性があると感じています。

 第2候補は米独立リーグからやってくるアレックス・マエストリ(イタリア)です。まだ映像で見ただけとはいえ、外国人らしいスピードボールを投げます。日本の野球に早く慣れれば、最後を任せることも出てくるでしょう。

 春からのトレーニングで各選手はおおむね順調に伸びています。ただ、実際に公式戦が始まると、結果を気にするあまり、思うように投げられないものです。僕もヤクルト1年目にオープン戦で好投し、開幕1軍に抜擢されましたが、初登板は緊張で腕が振れなかったことを覚えています。当然、結果は出ず、2軍に落とされました。

 だから若い選手たちには開幕してからも「思い切って投げてほしい」と伝えるつもりです。とにかく腕を振って投げれば、結果は後からついてきます。成績を残せば、それが自信となり、落ち着いて投げられるようになるものです。そして、6月くらいにワンランクアップしてくれれば、と願っています。

 僕はピッチャーにとって一番いい季節は5~6月だと思っています。暑すぎず、湿気もあり、ボールが吸いつく感じで投げやすくなるからです。しかも、開幕して約2カ月が経ち、打者との間合いや感覚もつかめてきます。個人差があるとはいえ、この時期が一番、いいピッチングができる可能性が高いのではないでしょうか。ここで爆発的に成長を遂げ、夏場に突入すれば、チームの大きな戦力となりますし、スカウトの目にも留まります。

 もちろん開幕から勝利を目指しますが、それは監督や僕が考えること。選手たちは目先にとらわれず、6月に飛躍する姿をイメージしながら、今取り組むべき課題をひとつひとつクリアしてほしいと感じています。 

伊藤秀範(いとう・ひでのり)プロフィール>:香川オリーブガイナーズコーチ
1982年8月22日、神奈川県出身。駒場学園高、ホンダを経て、05年、初年度のアイランドリーグ・香川に入団。140キロ台のストレートにスライダー などの多彩な変化球を交えた投球を武器に、同年、12勝をマークして最多勝に輝く。翌年も11勝をあげてリーグを代表する右腕として活躍し、06年の育成 ドラフトで東京ヤクルトから指名を受ける。ルーキーイヤーの07年には開幕前に支配下登録されると開幕1軍入りも果たした。08年限りで退団し、翌年は BCリーグの新潟アルビレックスBCで12勝をマーク。10年からは香川に復帰し、11年後期より、現役を引退して投手コーチに就任した。NPBでの通算 成績は5試合、0勝1敗、防御率12.86。