堤堯 第4回 「身も氷る危機一髪のグラビア差し替え・・・リーダーの資質とは知力・胆力・強運なり」

島地 勝彦 プロフィール

立木 堤さんはどうしてシマジにそんなに甘いの。

 だってオレの弟なんだぜ。

シマジ 三浦和義ブームってあったでしょう。タッチャン、あのときも堯ちゃんに助けられたんです。大人の週刊誌は寄ってたかって三浦和義をバッシングするなかで、『週刊プレイボーイ』だけは彼と仲良くなり、彼のフェアレディZの狭いトランクルームにうちのカメラマンを乗せて、追っかけてくる文春、新潮、講談社の社旗を立てたクルマを撮って、「ミウラ遊び」ってグラビアを6ページも組んだことがあった。

 たまたま、その夕刻、堯ちゃんと会う約束があった。会ってすぐにおれが自慢して「堯ちゃん、いま『ミウラ遊び』ていうグラビアを入稿してきたんだ」と得々と説明したら、「シマちゃん、それはやめろ! 今夜10時ごろ三浦は逮捕されるぞ。そんな間抜けなグラビアを載せたら物笑いになる。やめたほうがいい」と忠告してくれたんだ。

「三浦が今夜に逮捕? どうしてそんなことがわかるんですか」とおれが訊くと、

「シマちゃん、オレは曲がりなりにも東大法学部卒だよ。検察や警察に先輩、後輩、同級生がいるんだ。情報が入って来るんだ」

 おれはその店の電話に飛びついて副編に怒鳴った。「何でもいいからあの『ミウラ遊び」は差し替えろ。なに、入れる材料がない? わかった。お前の顔でも入れておけ!」

 有能の副編はちゃんと別な写真で6ページ組んでくれましたけどね。

瀬尾 そんな危機一髪があったんですか。堤さんは大恩人ですね。そんなお世話になりながら、青木功事件を起こすってシマジさんはどういう人間なんですか。

シマジ 瀬尾、もうアオちゃんのことは蒸し返すな。

 だから言ったろう。シマちゃんはヤギの乳で育ったから、人間がこんなに変わってしまったんだよ。青木といえば、岡本綾子とは本物とまわったことがあった。いろいろと教えてくれたけど、話していると、実にチャーミングな女だねえ。なんであんなイイ女に男がくっつかないんだろう。

立木 おれは岡本綾子がアメリカに行く前夜、六本木のルシエールで壮行会をしてあげたとき、きつく抱擁してガンバってよ、って言ってあげた。いい体でしたね。

シマジ その抱擁が忘れられず、岡本綾子はいまだ結婚出来ないんだな。