撮影:立木義浩
第2回はこちらをご覧ください。
立木 堤さん、1週間待ちくたびれたよ。それでシングルになったの?
堤 もちろん。川越CCに入会して、10枚スコアカードを出したら、ハンディ11をもらった。それから月例で2回優勝して、9になった。2年はかかったなあ。
瀬尾 やりましたね。それで一人あたま5万円の賭け金はゲットしたのですか。
堤 ところが同級生たちに「おい、シングルになったぞ」と言ったら「それはJGAの公認ハンディか」と問い返してきたんだ。川越CCに訊いたら、うちのハンディはJGAの公認を受けていない。むしろそれよりも上だというんだ。なにしろ中村寅吉が他のコースで負けた賭け金を取り返すために設計した難しいコースだ。近所のプロと一緒に回ったとき、「堤さん、このコースは他よりも2つか3つ難しいねえ。ここで修行しておけば、どこへ行っても大丈夫ですよ」というくらいだ。川越CCのハンディ委員会にいわせれば、なにもJGAの公認なんぞ受ける必要もないというわけよ。
それを同級生にいったら、「いや、JGA公認じゃなきゃダメだ」という。「冗談じゃない。オレが、シングルになるにはどうしたらいいかと尋ねたとき、JGA加盟のコースに入って、そこのシングルになりゃいいと答えたのは、お前らじゃないか。だからオレは川越CCがJGA加盟コースであることを確認して入ったんだ。何の文句がある?」と抗弁したけど、奴らは頑として「JGA公認」を主張して譲らない。なにしろ奴らも法学部だからねえ。
JGAに申請してハンディを取る手もあるが、面倒臭い。「よし、じゃあJGA公認のコースを、お前らどこでもいいから選べ。そこで一緒にプレイして、81以下でまわればいいんだろう。どうだ?」と訊いた。自信があったからね。そしたら奴ら鳩首協議して、「まあ止めときましょう」という答えだ。結局、ウヤムヤになって賭け金はパーよ。まあ、ゴルフはゼニじゃないからな。
シマジ そこが堯ちゃんのチャーミングなところだね。だから勝ちっぷりも豪快だけど、負けっぷりも格好いいんだ。
立木 そうか。残念だったね。
瀬尾 それではそろそろ政治マターに入りましょうか。
シマジ いやいや、まだ早い。堯ちゃんとタッグを組んで、ジュンクラシックの佐々木社長と専務を向こうにまわして死闘を演じたときの話をしましょうよ。
立木 面白くなってきたぞ。