Close up 川﨑宗則(マリナーズ)「30歳からのメジャー挑戦とイチロー」

フライデー
ストレッチもイチローばり。背番号も憧れの先輩と10番違いの「61」だ。師弟コンビの大暴れが見たい

 そう語る川﨑だが、昨年12月の会見で明らかにしたように、移籍先はマリナーズ一本に絞っていた。理由は、

「憧れのイチロー選手と一緒にプレーをする夢を叶えるため」

 今回の移籍の遥か昔---川﨑はイチローから、野球人生を左右する影響を受けていた。 '95年に地元・鹿児島の鴨池球場で観たオリックス戦。その前年、210安打を放って、社会現象になった天才打者に当時・中学2年生だった川﨑少年は心を奪われた。部屋にポスターを貼り、ビデオを擦り切れるまで見た。右打ちを左打ちに変えたりもした。

 '06 年の第1回WBCでは、ともに日の丸のユニフォームに袖を通した。帰国した川﨑は「イチローマニア」と化していた。ユニフォームのズボンの裾を上げ、ストッキングを見せるオールドスタイルを取り入れたのもこの時。突然、『 Mr.Children』にもハマった。「イチローさんが好きだと言っていたから」という徹底ぶりだった。

 そして今、アリゾナのキャンプ地で、二人は隣同士のロッカーである。

「でも、ずっと喋ってるわけじゃない。ポジションが違うから、練習中も一緒にいることは少ない。唯一、楽しみなのはランチタイム。おにぎりを隣同士で食べるんです。何か喋るわけじゃなく、ただ黙々と(笑)。でも、その時間が僕にとってはホント幸せです。イチローさんは癒しなんです」

 無謀な挑戦という声はいまだ根強い。周囲は反対した。昨年8月に結婚したばかりの夫人を思い、慎重論を唱える者は少なくなかった。しかし、新妻は夫の挑戦を支持した。

「もし、おカネがなくなったら、二人でアルバイトでも何でもしような」

「そうね(笑)」

 そんな二人の会話を、筆者が目の当たりにしたこともある。思ったものだ、女性は強い---と。