Close up 川﨑宗則(マリナーズ)「30歳からのメジャー挑戦とイチロー」

フライデー
「ヘイ、カモン!」。キャンプ地に川﨑の声が響く。ホークス時代と同様、マリナーズでも彼は一番の元気者

 丸坊主にしてみたり、イチローを「イチ!」と大声ではやしたててみたり、「アイム、エンジョイング!」なんてハイテンションで英語を披露してみたりと、川﨑の一挙一動は連日、テレビや新聞で伝えられている。だが、その姿は彼の一部でしかない。川﨑は旧知の筆者にホンネを語り始めた。

「だいたい、みんな切羽詰まり過ぎなんですよ。もちろん、開幕メジャーを目指して全力でやっています。でも、仮にダメだったとしても、だから何?別に死ぬわけじゃない(笑)。メディアの人たちからも『アピールしないといけませんね』とか『大事なオープン戦ですね』と言われますが、それは日本でも同じ。今が特別じゃない。ベストを尽くしますが、それでも達成できなければ自分の実力が足りないということ。また練習をすればいい。好きでこっちに来ているんだから、それでいいじゃない?」

 正論である。だが、昨季、ホークスで2億4000万円(推定)だった年俸は今季から5分の1の60万ドル(約4800万円)にダウンした。そこまでして、なぜ海を渡る必要があったのか。

「環境を変えたかったからです。ホークスに不満があったわけじゃない。入団した時から昨年まで、ずっとハッピーだった。でも、年を重ねたり、自分の立場が変わることで『楽しさ』の中身って変わってきますよね。若い頃はただガムシャラにやればよかった。でも、ここ数年はチームを引っ張るような立場になった。選手会長の仕事はたいへんだったけど、いい経験だったし、楽しかった。だけど正直、僕はそんなタイプじゃない。FA権を獲ったら環境を変えて、違う楽しみを探しに行きたいと、ここ数年はずっと思っていた。それがアメリカでも、韓国でも、台湾でもよかったんです」