取材・文|田尻耕太郎(スポーツライター)
新婚なのに年俸5分の1、マイナー契約なのに渡米。五厘刈りサムライが激アツで語った!
「TOKYOに行けるかどうかなんて、僕は興味ないですよ(笑)」
昨季まで12年間プレーした福岡ソフトバンクホークスからFAで『シアトル・マリナーズ』に移籍した川﨑宗則(30)は、真っ青なアリゾナの空の下で白い歯を輝かせるのだった。
〝三十路のルーキー〟は、厳密にいえばマリナーズの選手ではない。あくまで「キャンプ招待選手」である。
メジャーリーグのシステムを簡単に説明しておくと、メジャー契約枠が1チームにつき40名。そのうち25名がベンチ入りメンバーとなる。日本球界に置き換えれば、前者が支配下登録枠で後者が一軍選手枠にあたる。マイナー契約の川﨑はさらにその下。日本で言えば「育成選手」のような扱いである。
今季、マリナーズは開幕戦を東京で行う。キャンプとオープン戦で首脳陣にアピールし、メジャー契約を勝ち獲らなければ、イチローとの凱旋帰国は叶わない---ヤキモキする日本のメディアを、川﨑は冒頭のように笑い飛ばすのだ。